仮想短絡3
仮想短絡は,OPアンプ回路の入出力関係を効率よく求めるための概念である。それとともに,OPアンプの周辺部品に必要な精度を求めることができる。
図は加減算器である。Vo=V2-V1の入出力関係を得たいのであれば,全抵抗をRとすればよい。
この回路でk(V2-V1)としたいときや,V1,V2が大きく,相対的にV1-V2が小さいときの各抵抗に求められる比精度を知るには,仮想短絡を前提に,図のように各抵抗をR1~R4と置き,入出力関係がk(V2-VI)となる条件を計算する。
その条件はR1/R2=R3/R4 ,k=R2/R1 となる。
各抵抗をR1~R4と置いて,この回路をとくことにより,条件が成立しないときにどのような影響が出るか定量的に評価することができる。
仮想短絡の考え方を利用すれば,周辺のRCに許される誤差を計算できる。
全抵抗がRの場合から出発し,オフセット電圧やバイアス電流の影響は個々に計算する。全部をいきなり計算しようとすると,多くの場合作業量が大きくな理過ぎるとともに,計算結果をみやすい形に整理することが難しくなる。
アナログエンジニアは原理回路から出発して,一つ一つの要因を独立に検討することが多い。
線形回路では重ねあわせが大抵有効なので,結果を整理して見通せる範囲の解析を行うことが重要である。
もちろん入力オフセット,そのドリフト,バイアス電流,OPアンプの出力電流や電圧の限界の検討抜きにOPアンプに必要なDC特性は評価できない。
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