トランジスタの電流制限
Q1のエミッタ電流を抵抗RSで検出し,RSに掛かる電圧が保護トランジスタQ2のVBEより大きくなるとQ2がONし,主トランジスタQ1のベース電流をバイパスする。
この結果,Q1はその制御信号によらず,一定電流以上は流れない。電流制限は比較的シャープで,ほぼIE1・RS=VBE2が制限値となる。
この回路はバイポーラトランジスタQ2のVBEがほぼ0.6-0.7Vの一定値であることを利用している。
主トランジスタQ1は,バイポーラnpnトランジスタでも,nチャネルパワーFETでも動作する。
制限電流はQ2のVBEに依存するので1℃あたり1/300程度減少する。
高温側で制限電流が減少することは,半導体保護用としては好都合である。
この回路形式のまま使用されることが多いが,この回路をベースにしてもっと複雑な電流制限機構を構成することもある。
このような保護回路はトランジスタの最大電流を効果的に一定値以下に制限できるので,異常時の検討が容易になり回路システムの信頼性を高める。
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