ノーマリーオン
バイポーラトランジスタなど半導体デバイスの多くはノーマリーオフである。
制御電源が0のとき,出力がOFFであることがノーマリーオフで,制御電源が立ち上がってから出力がアクティブになる。
ノーマリーオンの素子は案外少ない。
たとえばディプレッション型接合形FETはノーマリーオンである。制御端子が0VのときにON,制御端子が負になってはじめて制御が掛かる。
ノーマリーオンの素子は起動回路などに有用であるが,パワー素子としては使いにくい。主電源投入以前に制御電源を確定しておかなければ,主電源を短絡するからである。そして主電源OFFの後に制御電源を落とす必要がある。
これは厳しい設計条件である。
ロジックの+5V系を必ず先に立ち上げ,アナログ系の+15Vをその跡で立ち上げないと過大な電流が流れる回路も存在する。アナログ系がOFFした後まで+5Vのロジック電源を維持する。
こんな電源シーケンスを必要とする回路も存在するのだ。
今も使われているかどうか,はっきりしない部分もあるが,電磁リレーなどでは,ノーマリーオンとノーマリーオフの接点があり,ふつう非励磁のときに安全サイドになるよう考慮して設計される。
電子回路では短時間のうちに経過する起動時のストレスを妥当な水準に抑制するにはノーマリオフの素子とノーマリーオンの素子をうまく使いこなすことが必要となる場合も少なからず存在する。
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