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2008年2月25日 (月)

インバーテッドダーリントン

インバーテッドダーリントントランジスタ(準ダーリントン)は,たとえば,pnp初段Q1のコレクタを主トランジスタnpnトランジスタQ2のベースに接続して構成する。

ダーリントン接続は,Q1,Q2のhFEの積に相当する高いhFEを得ることができることは良く知られた回路技法であるが,その効果と利害得失については詳細な議論が記載されていることは少ない。

個別トランジスタの場合,pnpの電力定格の大きいトランジスタはnpnより品種が少ない。

しかし純ダーリントン接続では,入力側Bからみて2VBEの電圧降下が生じる。インバーテッドダーリントンではVBE1個分である。スイッチングに用いるとインバーテッドダーリントンの場合にはCE間電圧は飽和電圧程度で動作する。個別部品で組む回路の低電圧化のひとつの技法となっている。

純ダーリントン接続の場合には,VBE+飽和電圧程度必要で,オン時の電力損失が大きい。コレクタより高い電圧が利用できれば,初段のコレクタをその電圧に接続することによりこのディメリットは解消できる。

リニア動作の場合にはVBEの自己加熱による温度変化を回避したい場合がある。インバーテッドダーリントンの場合には初段Q1は低い電力で動作するので,入力VBEは安定であり,負荷変動で接合温度が変化し電力増加とともに変化する主トランジスタQ2のVBEはほとんど寄与しない。

したがって,VBEの変化を嫌う回路ではインバーテッドダーリントン接続も選択肢の一つとなる。

個別部品でのダーリントン接続では,初段がより高速の品種になることがあるので,極短時間Q1がダイオード負荷で動作することがある。この過電流を抑制するために適度な抵抗をQ1のコレクタに挿入しておくことは信頼性向上の目的に有効である。

たかがダーリントン接続であるが,細部においてはかなりの違いがある。

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