2段エミッタフォロワ
バイポーラトランジスタによるエミッタフォロワは,ベースに信号VIを入力し,エミッタ抵抗REを接続,エミッタから出力を取り出す。
この回路形式は,直流的にはVBEだけ,入力信号VIより低い電圧が出力されるとともに,広い入力電圧範囲ではエミッタ電流が大幅に変化するので,対数的な非線形性が発生する。
非線形性は,エミッタ負荷を定電流回路とすることで,消去できる。VBEによるDCレベルのシフトはどうするか。
たとえば,npn初段エミッタフォロワの次段にpnpエミッタフォロワを接続する。
このようにすれば,DCレベルシフトも少なく,2段エミッタフォロワを電圧利得1で高速のDC電圧フォロワとして使用できる。
2つのトランジスタのVBEの違いは,各段に流す電流を最適化すれば吸収できる。
オペアンプによる電圧フォロワほどのDC精度はないが,問題にするDC誤差が10mV程度以上許されるならこの回路は個別部品で組めるとともに,エミッタ接地増幅器に比べ帯域が数10倍広い。
もちろん,同様な回路形式で作られた集積回路も存在する。
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