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2008年3月 6日 (木)

FETは電圧制御か

高速スイッチングをパワーFETにさせるとき,通常はオン期間が延びる。

パワーFET では,静的には制御のために電力を消費しないが,動的にはかなり大きい電流駆動能力をその制御回路に求められる。

パワーFETの入力端子G-S間容量Cissは,基本的にコンデンサと等価である。

たとえばCiss=1000pF,電圧スイング10V,SW時間0.1μsなら,CV=Itから,100mAの駆動能力がその制御回路に必要になる。かなり大きな電流である。

ドレイン電圧が変化する瞬間には,G-D間のCgdを充電する電流も必要になる。

パワーFETを高速駆動するときには,ゲート制御信号は低インピーダンスである必要がある。スイッチング時間は各部の充放電時間でおよそ決まる。

パワーFETは電圧制御であるが,制御側から見るとコンデンサに見える。

ターンオンはG-S間電圧が3-4Vで始まる品種が多いが,オン抵抗を低減するために10数Vまで駆動する。しかし,ターンオフの際には多くの場合,Cissの放電は0V以上で行われる。したがって充電時間は短時間で,放電時間はより延びる。

このため,通常の駆動回路ではオフ時間がオン時間が延長する傾向にある。

プッシュプルスイッチング回路では,オン時間の重複は避けなければならないので,通常は両オフ時間を設ける。

この制御には様々な工夫があり,不用意にプッシュプル回路のスイッチング素子としてトランジスタを使用すると上下トランジスタの同時オンにより過大な電流が流れる。(クロスカレントコンダクション)

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

初めまして.
先生の御著書は「実践アナログ回路設計・解析入門」と「スイッチングコンバータ回路入門 」を購入しました.
少し気になったんですが,Cissの最後の's'は第3の電極ドレインをソースに短絡して測定するって意味じゃないでしょうか?
オープンだったらCisoとか?
データシートを見るとカットオフ状態で測定していて,動作させるときには使えないパラメータだと思いますが.
メーカに訊いたら,同一プロセスならCissでチップサイズがわかるとか.
スイッチング時間を見るには,CissではなくQgを使うべきじゃないでしょうか?

ha2625さま こんにちは。
すべて,おっしゃる通りです。スイッチング時間はQgで予測します。
きわめて荒っぽく充電電流をオーダーを見積もるにはCissの充電時間で計算するのが簡単です。
正確にはQgsを用いた計算が必要です。(実践・・43P)

Cissは目安にもならないんで,スイッチング時間を云々するときには忘れた方がよいと思います.
以前,入手容易なパワーMOSFETの同等品一覧表をデータシートを見て作ったことがあります.
PD,VDS,ID,RON,Ciss,tr,tON,tf,tOFF,形状,(単価)を並べました.
面白かったのは,スイッチング時間(tr,tON,tf,tOFF)とCissに全く相関がなかったことでした.
親しいメーカに訊いたら,Cissは同一プロセスの場合にチップサイズがわかるがスイッチング時間はわからないとゆうことでした.
スイッチング時間はQgと相関があるからそちらを見るように言われました.

お詳しいですね。
初期値から電圧がターンオンし始めるのは閾値電圧までCiss//Crssを充電する時間でディレー時間となります。抵抗負荷SWの場合,その後CrssとCisをON電流に対応するゲート電圧まで充電する時間になります。電流一定(たとえばL負荷SW)の条件では,電流一定すなわちゲート電圧一定でドレイン電圧が大きく変化しますので,Qgs-Vgs特性上平坦部が生じます。この時間がSW時間で残りは遅延時間として観測されます。
なお,Crssは電圧依存性が大きく,データーシートに記載されているように大きく変化いたします。したがって,Crssは測定条件やSW時間中にも大きく変化します。
 FETのシミュレーションモデルにはこの辺も考慮されています。

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