出力アドミタンスhoe
エミッタ接地回路での出力アドミタンスhoeは,コレクタ電圧の変化に対するコレクタ電流変化の逆数で
hoe=ΔIC/ΔVC である。
一方,アーリー効果は,コレクタ電流のコレクタ電圧依存性で,ベース電流一定なら
IC=IC0(1+VCE/VA) ただし,VAはアーリー電圧,IC0はVCE=0に外挿したコレクタ電流である。
したがって,ΔIC=IC0(ΔVCE/VA) hoe=ΔIC/ΔVCE=IC0/VAとなる。
npnトランジスタでは,C-E間の定電流源に並列に1/hoeの抵抗が入る形となる。VA=80V,IC=1mAとすれば,1/hoe=80kΩである。
この値は,エミッタ接地増幅器のコレクタ抵抗の数10倍程度であるから,エミッタ接地増幅器の電圧利得計算において,C-E間が定電流源と考えた場合に比べ,1/hoeの負荷効果により数%低めとなる。
アーリー電圧VAはコレクタ電流にあまり依存しないので,出力アドミタンスはほぼコレクタ電流に比例することになる。
出力アドミタンスは,消費電力増加に伴う電流増幅率hFEの増加の影響を受ける。したがって,パルス測定では比較的アーリー電圧から求めた値に近くなるが,直流に微小な交流を流し測定した値とは異なってくる。
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