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2008年4月15日 (火)

インダクタンスの逆起電力

私は「逆起電力」という言葉はふつう使わない。インダクタンスにエネルギーが蓄積されている場合にスイッチングすると,スイッチング前の元の電流の方向で,かつ,もっとも電流が流れやすい場所を経由して流れ,その経路の電圧が電流の時間変化率を決定するからだ。

逆起電力とは,どの場所でどこを基準に測ったとき「逆」なのかとの疑問も残る。しかも,起電力という表現を使用すると,常に一定の起電力を発生するかのような印象を与えやすい。

インダクタンスとSWの直列回路をOFFするとき,インダクタンスの両端を短絡すれば,「逆」起電力は,定義はともかくとして,逆起電力はほぼゼロで,インダクタンスLに寄生する直列抵抗Rがあれば,L/Rの時定数で減衰する。

DC-DCコンバータなどでは,着目する時間がL/Rに比べて十分小さいので,R分のない理想的なインダクタンスとして種々の検討・解析を行う。

逆に,リレーやソレノイドなどでは着目する時間がL/R程度以上で,かつ,電圧一定の場合が多いので,一次遅れ回路として解析する場合が多い。

インダクタンスを流れる電流は急変できないので,一番流れやすいところを経由して流れる。その経路の電圧Vが電流の減少率を定める。そして,その関係はV=LdI/dTである。

SW後の回路図に電流の流れる経路が無くとも,一番流れやすい経路を電流は強引に流れる。

SWがバイポーラトランジスタの場合には,C-E間を降伏させて流れることもまずい設計ではありえる。この状態はデバイスにホットスポットができやすいので好ましい使い方ではない。パワーMOS-FETの場合には,D-S間降伏で使用を許容している品種もある。

逆起電力という言葉をさておいて,議論しなければSW後のインダクタンス回路理解はないと考えるアナログエンジニアである。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

私も「逆起電力」という言葉は嫌いです。これは現象論的な命名だと思うのですが、現象を上手く説明できないことの方が多いようです。私自身は単純にマックスウェル方程式で磁場の変化は電場を生成すると理解しています。
例えば、「モーターの機械的負荷が増加すると逆起電力が増加するので消費電流が増える」なんていう説明がありますが感覚的には分かり難いものです。

T NAKAさま
家主の5513です。こんばんは。
>例えば・・・
の説明されたら、私はついて行けません。
まったく同感です。「逆起電力が増加するので」の逆起電力の性質、定義なしに理由付けされても、戸惑いが増えるだけで、理解繋がらないように思います。
逆起電力で変圧器(商用&パルス)の性質をそれなりにも説明できるかな。

>例えば、「モーターの機械的負荷が増加すると逆起電力が増加するので消費電流が増える」
の記述は誤り。

モータの機械的負荷が増加するとロータの回転速度が減じ、「起電力(逆ではない)」が「減る(増えるではない)」ことで消費電力が増える。 正確には、このブログでいう逆起電力とは自己誘導が起源で、モータの運動を起源に発生する起電力はブログの逆起電力ではない。(ロータの回転を妨げる逆の向きの逆ではある)。 いずれにしても単語1つでは誤解を招きやすいのは事実。

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