タンタルコンデンサ
タンタルコンデンサは1-100μF程度の容量のコンデンサとして,アルミ電解コンデンサより少し高級な用途に使われる。
有極性コンデンサであり,基本的に直流で使われる。湿式タンタルコン,固体タンタル(2酸化マンガン,有機電解質)などのタイプがある。長所としては,経年変化が少なく適切に使えば信頼性は高い。
周波数特性は,アルミ電解コンデンサと比べて広く電源デカップリング用として,信号デカップリング用として有用である。逆電圧に対しては,多くのソリッドタンタルコンは0.6V程度以上に耐えるので,シリコンダイオードクランプによる保護が有効である。
したがって,逆直列接続による無極性化によるAC用途にも使用可能である。
欠点としては,故障モードのほとんどが短絡であり,タンタルコンデンサ部での短絡を想定した電源設計が本来必要である。タンタル自身が密度が高いので,たとえば机から落とした素子は使わない方が無難とされている。また,耐電圧は~50V程度なので,高電圧には対応できない。
タンタルコンデンサの設計上の注意として,電圧ディレーティングおよび回路インピーダンスの信頼性に及ぼす影響が大きいので,極力電圧を逓減し,回路的に可能ならばコンデンサに直列抵抗を挿入するとより安全である。
電流定格はアルミ電解コンデンサより多くの場合,同一容量なら低めであるので,直流に重畳するリプル電圧とその周波数に注意を払う必要がある。
詳しくはEIAJの技術報告書が参考になる。
部品の癖を知ることは,アナログ回路設計上欠かせない。
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