編集者さまざま
今週,校正していた2Pの技術コラムのやり取りがやっと終わった。
今日は,仕事で片道7hかけて,クライアントのところに行く。
編集者やセミナー企画担当者は実にさまざまである。
A社の編集者は,ある学会で出合った方である。そのときには自分が専門書の著者になるとは思っていなかった。今から10年以上前のことである。その後縁あって,その会社から大学教科書として体裁として出版した。実務を経験した私にとって,大学の電子回路の定型的な内容とはかなり異なるものであった。それでも,学術教科書としての形を取るための種々のやり方を教わった。分野外のK教授によるところも大きい。
B社は,別件でその編集者や社長と面識があって意気投合もしたが,編集方針の違い(実回路定数の記載)があって書けなかった。
実務技術本を多く出版しているC社の編集者は,私を鼓舞してくれた。そして,実務本の体裁,書き方を教わった。出来上がった本では,目立たない形で字間の間隔を調整して読みやすくしてある。校正の際には,図版や数式が電子データから作られるものではなく,新たに打ち直すので間違いが出やすいことも教えてくれた。いずれの会社も,内容についての修正要求はほとんどない。その分,著者はコメントに敏感に反応せざるを得ない。著者と編集者の良好な関係である。
今回の校正は不愉快な校正作業であった。初歩的な質問・加筆の挙句,分量が増えたので何とかしてくれとのメールが校正前段階で届いた。ふざけるな!著者はその内容について,無限責任を負う。その代わり,改変に対しては拒否権を持つ。編集者は,著者の力を引き出し,見やすいレイアウトを蔭で支えてくれる。これがプロの編集者としての能力である。内容に関して口を挟むことは原則無いが,著者の記述の対象となる読者層の情報もくれることがある。
プロの編集者は大局的に本を見る。著作内容を見る。半可通の編集者は,著者に大きな時間的,心理的負担を与える。
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コメント
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雑誌の編集者って、原稿をいじりまくる人が多いんじゃないでしょうか?
ここに書かれている人は、こんな記事は書いた覚えがないと言って、
名前を大好きな藤原紀香チャンから戴いたそうです。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/hashizume/Talk/1.htm#28
投稿: ha2625 | 2008年4月17日 (木) 18時02分
ha2625さま
リンク先をみて、笑ってしまいました。技術雑誌でもペンネームで投稿される記事をだす某社を思い出しました。
投稿: 5513 | 2008年4月18日 (金) 02時44分