希少金属
おなじみのところでは,コネクタに使われる金(Au)がある。べた金接点では1接点当たり数mgの金が使用される。接触する部分のみニッケル下地(Ni)に金を付ける技術により,その使用量は各段に減少したが,プリント基板に含まれれる金は鉱石に匹敵する。
白金(Pt)は触媒作用により,自動車の排ガス浄化に使われている。私が学生の頃には,確か金と白金が同程度の値段であったが,今は白金の方が格段に高い。同属元素のパラジウム(Pd)も高くなっており,保険での歯科材料に使われることが少なくなった。
ネオジウムやサマリウムも強力な磁石の原料で,小型永久磁石モータに必須の金属材料である。
すこし,マイナーのところでは,透明電極に使われるインジウムがある。
希少金属ではないが,銀もそのうち高くなるのではないかと考えている。鉛フリー半田の主原料のひとつであるからだ。
蛍光体といえば,希土類の元素を私は想起する。ブラウン管カラーTVに使われていたが,資源が枯渇する前にLCD方式に変わった。
難削材を削るには,タングステンやコバルトを含む超硬合金の刃具が必要である。
これからの物作りは,少し規模が多くなれば残存資源量に配慮した製造プロセスも必要になるのではないか。
日本はさまざまな希少資源を使っているが,これまで資源の回収が十分であったとはいえない。
今後の工学教育においては,「資源」と「リサイクル」の視点のある教育も必要ではないか。
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