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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2008年5月12日 (月)

無安定マルチの発振周期

_2190 ←庭に咲いた牡丹の花。白花と赤花の株がある。この牡丹の花が散る頃,しゃくやくの花が咲くだろう。

無安定マルチバイブレータの発振周期の公式には,よく0.69(ln2)の数値が出てくる。この値は,初期値-VCCからステップ電圧+VCCで一次遅れ回路を充電したときの出力が0Vとなる点を計算すると出てくる。

実際の2石無安定マルチバイブレータでは,ベース耐圧の関係からVCC=5Vで設計されることが多いので,ベース・エミッタ間電圧:約0.6Vも無視できない。この場合は初期値が-VCC+VBEで,1次遅れ回路であるベース電位が+VBEとなる時刻を計算することになる。実際に計算してみると,案外先の簡略計算に近い数値が出てくる。

2石マルチバイブレータのコレクタ波形は,ステップ波形ではなく,コレクタ抵抗とタイミングコンデンサで決まる1次遅れ波形である。すなわち1次遅れ波形による,1次遅れ回路の応答計算に厳密にはなる。トランジスタをスイッチングさせる関係上,ベース抵抗とコレクタ抵抗の比を10倍程度にしか取れないためである。広い可変範囲のVCOを作るときには問題になる。

このほか,論理ICのシュミットトリガを用いて,入力-GND間にC,入力-出力間にRを接続した発振回路も0.69の係数がかかる。これは+VCCのステップ電圧を入力したときの,入力端子がVCC/3から2VCC/3に変化するのに必要な時間である。

電子回路で0.69の係数を見たら,その背景にある計算根拠を思い出すとともに,ln2を連想していただきたいものである。

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