正弦波発振回路
CR正弦波発振回路には,さまざまな回路形式がある。
移相発振,ウィーンブリッジ発振,クオドラチャ発振などなど。
移相発振器はCRの一次遅れ回路3段以上で位相回転を180°にするとともに増幅器で総合利得を1にする。この回路は,私が試作した範囲では,微調整無しに綺麗な正弦波を得られることは無かった。
ウィーンブリッジ発振回路の発振条件は比較的簡単な計算で求まるが,紹介記事などでよく見かけるツェナーダイオードクランプの振幅制限方式では簡単に綺麗な正弦波を得ることは案外難しい。
クオドラチャ発振回路の発振原理は振り子の微分方程式と同じである。
いずれの回路も,熱雑音などの発振の種を成長させ,所望の振幅に到達したらおもに増幅率を制御(AGC)により発振条件を厳密に制御する。
発振には,発振の種になる雑音,そして発振条件より過剰な利得でその種を成長させる過程と,定常発振での電圧増幅率の制御がキーポイントである。
ウィーンブリッジ発振器の場合には,電圧制御可変抵抗を用いることが多い。電圧制御可変抵抗にはJ-FETが本格的にはふつう使用される。
当然,交流を整流平滑して制御信号とするので,フィルタと発振周波数のほぼ幾何平均の周波数で制御上の課題が生じる。ウィーンブリッジ発振回路の起動時には,コンマ何秒かの時間遅れをおいて,少しオーバーシュートして定常状態に入るのが普通である。発振周期の数千倍の時間を要することもある。
発振回路の詳細解析経験無しに,回路の予期しない寄生発振を自信を持って止める事は難しいのではないか。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な1票をアナログエンジニアによろしくお願いします。【押す】
« 子猫の仕業 | トップページ | アナログ回路さまざま »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント