少子化3
この少子化の時代,大学の総てが今の定員を充足できるとはとても想定できない。
分数のできない大学生,これが話題になってから久しい。
しかるべきときにしかるべき事柄をマスターし,つぎのステップに進むことが本来の教育であろうと考えるアナログエンジニアである。ふつーの人が大学入試に10年かけたなら,誰もその人の能力を信じ採用することはないだろう。
工学系で考えると,高校物理は不可欠な素養である。高校物理を課さない入試は,その大学にとって後年大きな負担をもたらす。入試の多様化を否定するものではないが,基礎学力,素養を高校で身に付けていない学生を大学レベルまで引き上げることが本当にできているのか。疑問に思う。
研究者としての訓練を施す修士・博士課程ではどうか。
教える側から見れば,科研費の獲得しなければ,研究室の運営にも支障をきたすのではないか。
総ての博士・修士課程の学生が研究者になるとは限らない。
むしろ,エンジニアとしてその後の人生を送るケースの方が多いだろう。
工学者としては,出来て当たり前の技術素養と感性が必要である。
親が,本拠地から離れた大学に子供をいれ,下宿代などを負担するなら,新人大卒を雇うくらいの費用がかかる。この親の投資が回収できないケースも多くある。これも少子化の一因か。
訓練・教育を受けるに際しては,その時期その時期においてマスターしなければならないことがある。
工学なら,高校時代に物理できれば化学も一通り学んでいただきたいものである。そして大学に入ったら,自分の使うパラメータの測定の原理と計測限界も知ってほしい。
母数が減少している今,ゼロベースで大学教育を見直しても良いのではないか。
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