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2008年6月23日 (月)

抵抗の電力ディレーティング

抵抗の使い方はアナログ電子回路での基本技術である。

精密用途なら,抵抗器の定格電力とその温度係数を考慮して,負荷電力を決める。

精密用途での一般的な抵抗は金属皮膜抵抗であるが,その温度係数は±50ppm/℃程度である。実勢値はメーカー,抵抗値で異なる。

0.1%精度の金属皮膜抵抗を使うなら,抵抗体の温度上昇は20℃以内程度にとどめるべきであるとアナログエンジニアは考えている。自己加熱による温度変化は,20℃×50ppm/℃=0.1%で,0.1%精度の抵抗を使う意味がなくなる値である。

サイズによるが,数秒から数10秒の温度ドリフトも発生する。

したがって,このようなケースでは,抵抗器の電力ディレーティングはかなり大きくし,定格の1/10程度以下で使わないと自己加熱による影響が出る。

また,0.1%精度の抵抗器を使う際には,抵抗器の経年変化も考慮しておかなければならない。金属皮膜抵抗の経年変化は最初の1年で0.1%オーダーで変化するとされる。メーカーや抵抗値,そのサイズによりかなり違うという。概略の傾向は時間の対数に比例するらしい。

精密抵抗は,抵抗体をトリミングして精度を出している。シート抵抗値はそんなに大きく変化できないので,サイズの小さい抵抗ほど精度維持が難しくなる。トリミングもデリケートになってくる。

電子回路部品の中でもっとも単純で,回路の基本動作を決める抵抗ですら,0.1%を越える精度を求めるなら,このような配慮と,部品の長期的変化を見極めておく必要がある。

精度を出すためには,それなりの部品を使う必要がある。

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