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2008年6月 2日 (月)

パルストランスの偏磁

偏磁という言葉を使っている限り,パルストランスの本質はわからない。アナログエンジニアはそう思っている。

B-Hカーブでの現象だが,そのサイクルの中で直流成分が存在すると磁気飽和を起こす可能性がある。

片極性で駆動するパルストランスの場合には,基本的に1サイクルで励磁電流を元に戻さなければならない。

例外的に数サイクルで励磁電流を回収する回路も存在するが,あまり推奨はできない。

偏磁という言葉は,トランスの破局的現象を示す言葉であり,トランスの1次コイルが短絡状態になる現象を刺すものと私は思っている。

消磁されたコアの状態からスタートして,励磁電流を2次側無負荷で電流を観察すればパルストランスがどのようなB-H曲線上で動作しているかがわかる。

この方法はB-H曲線を取得する基本的な技術であるが,一般的な電子回路技術者の方で知っている方は少ない。

方形波電圧をパルストランスの1次側に入力したとき,その時間応答電流波形はB-H曲線の裏返しである。電流波形が時間とともに急増するならば,透磁率が減少している状態でコアを使用しているときで危険な状態である。

同じ解析手法は,商用周波数トランスにも当てはまる。商用周波数帯で使われるコア材料は鉄合金の積層財であるから,飽和磁束密度は約2テスラ。お行儀の悪いというか,トランスを知らない設計者に強要されてというか,消磁された状態から起動することを前提にしていないトランス設計もありうる。下側飽和点と上側飽和点の間を使用磁束とするなら,かなりの小形化ができるが,その代償として起動条件によっては,極端に大きな起動電流が流れる。

パルストランスの設計はすでに枯れた技術であるが,その背景にはさまざまな設計戦略がある。

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