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2008年6月10日 (火)

差動変圧器LVDT

差動変圧器は古くからある電磁式位置センサで,電気マイクロメータなどにも使用される。

日本語よりも,英語表記のリニア(L),バリアブル(V),ディファレンシャル(D),トランシフォーマー(T)の略語が,その動作をよく表している。

ソレノイド状に巻かれた1次コイルの中心部にフェライトコアがあり,そのフェライトコアは1次巻き線より短い。センサとしての2次巻き線は軸方向に2分割されていて,フェライトコアの変位に応じて,2つの2次巻き線に誘起電圧がでて,その差を原初信号とするのである。

磁場を経由して,差信号が生成されるので,2次側には1次コイル印加電圧と同期した信号が出るわけではない。

また,構造的に工夫すればフルスケール1mmから10cm程度までをカバーできる。

2次コイルの振幅差を見ている限り,電気的原点を頂点とするV字型の出力特性になる。

アナログエンジニアはそこで考えた。

磁場センサなら定電流正弦波駆動,2次側は整流後引き算を行うか同期整流しかない。

1次側定電圧駆動なら,その抵抗成分を考慮しなければ,周波数が多少変動しても出力変動は少ない。

問題は同期整流の基準位相をどこから得るかである。

私は,2次側から同期信号を生成した。これにより,1次側のL成分とR成分に依存する位相ずれの問題が解消できた。

電磁センサの弱点である,入出力位相の問題を解決できたのである。

正弦波定電流励起と,2次側同期方式の組み合わせで,安定な信号を得ることができた。

この判断を下す際には,1μm単位での10数mmまでの特性を,治具を使って取得した。30年前の話であるが,今も私のLVDTを使った圧力センサが実プラントで稼動しているらしい。

電磁センサには種々のものが存在する。耐環境性がよく,汚れにも非常に強い。

当時の上層部からはLVDTを心臓部に使うことに,強い反対が在ったが,基本実験により自信を持って短期開発に取り組むことができた。着手から半年で,特殊な耐環境性をもつ圧力センサを構築できた。電磁センサはある程度の特性解析が可能であることと,材料の信頼性を再確認する必要が無かったことが幸した。

基本電磁センサはそう多くないが,ひっそりと,シズテムの重要部分に使われている。電磁センサとはそういうものである。

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