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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2008年6月19日 (木)

可変抵抗の調整範囲

アナログ回路システムの中でひとつの設計の勝負どころは可変抵抗の使い方である。

回路中で使用する部品の偏差に伴うゼロ点誤差,スケーリング誤差,非線形誤差を消去,校正するための調整機構である。

可変抵抗:VR(バリアブル レジスタ)は固定抵抗の定数選択過程よりも複雑な設計過程を経て決定される。

希望する調整を量産で行うには,その回路システムの最悪ばらつきに対応できる調整範囲をもっていることが望ましい。

通常は,最悪ばらつきに対して,カバーできる定数を選択するが,VR自身もかなり大きなばらつきを有している。

また,VRは1回転なら,角度の1-2°位が作業者の調整できる限界であろう。

多回転形ならこの要素は1桁近く軽減されるが,今度はVRの抵抗体とセンタータップのワイパーの機械的安定性が角度設定能力以上であるかが問題になる。巻き線型の物は,低抵抗領域で人間の手による設定能力より,巻き線ピッチによる量子化のため,人間工学的に見たピッチより少ない分解能しか持たない場合も少なくない。

VRを含む回路部分の回転角に対する調整能力が非線形になることも少なくない。このような場合には,調整分解能を一番厳しいところで所望の感度に設計しておかなければ,非常に面倒,かつ再現性の少ない調整機構となるであろう。

このような配慮を行うには,VRを含めそれの位置を変数とした回路解析が必要であるとともに素子感度解析が必要である。

複数のVRを用いて,いくつかの調整を行う場合もある。VRの挿入箇所と調整手順が悪いと,調整機構間の干渉が生じ,同じ手順の調整を複数回繰り返すことになる。これでは生産効率が悪い。

さらに,ハイブリッドICあるいはトリミングプロセスをもつ回路では,一方向にしか抵抗を調整できない場合も多い。

調整機構の優劣は,使用者にとって見えない部分であるが,生産性を考えるときかなり影響するファクターであるとアナログエンジニアは考えている。

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