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2008年7月10日 (木)

インダクタンスの測定1

高価なインピーダンス測定器がなくともインダクタンスはそれなりに測定できる。

交流電圧源と抵抗と供試品,それに汎用の交流電圧計があればよい。

交流電圧源から抵抗とLを直列駆動する。

その状態で交流電圧とLにかかる電圧を測定する。

測定原理は単純である。

V=(R+jωL)Iである。

Iは既知の抵抗Rの両端にかかる電圧からオームの法則から計算できる。

VX=jωLはインダクタンスの端子電圧である。

R>>|jωL|なら,VX=ωLIである。

この方法のポイントは,R>>ωLの条件で測定する点にある。複素計算は不要である。

R>>ωLになっていなければ,Rを変更する。

この方法は,実回路中でLの値を確認できる場合もある。

アナログエンジニアは,他人が制作した回路をチェックするとき,このような方法で定数も概略の確認を行っている。定数間違い,Lの電流定格オーバーは電子回路では致命傷となる。

簡易測定でも,1%精度でのチェックはそれなりに可能であると考える。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

大変興味深く読ませていただきましたが、
> VX=jωLはインダクタンスの端子電圧である。
> R>>|jωL|なら,VX=ωLIである。
という記述「X」というのが添え字なのか変数なのか不明でした。

L=端子電圧/ωI
でもとめられるという意味なのでしょうか。

↑の質問と同じですね。
Xと言うのが少しよくわかりません。
あと、jってなんですか?

知識不足ですみません;;

困り者さん,通りすがりの人さん回答が大変遅れてすみませんでした。

VXのXは添え字でVxです。ブログでは添え字がまだ使えないので,つい,大文字のまま記載していました。
この方法は,抵抗分の少ないインダクタであることを前提にしております。
j は虚数単位です。電気・電子関係では,i の文字を電流を表す文字として使うことが多いので,虚数単位を j と表示することが慣例です。
純粋インダクタのインピーダンスはjωLで90度位相がずれますが,R>>ωLの条件では,単に純インダクタンスにかかる電圧Vx=ωLI (I は抵抗の両端にかかる電圧,ωは角周波数)からLを逆算できます。
なお,角周波数ω=2πf,f は使用する正弦波の周波数です。
この方法は,SW電源やフィルタ用の比較的純粋なインダクタンスと見なせるコイルに対し有効です。

以上 家主より

初めまして。
コイルについて色々と調べるうちに、こちらへやって来ました。
ご紹介の測定法から少し変えた場合の方法についてお聞きします。
> R>>ωLになっていなければ,Rを変更する。
との事ですが、以下の方法ではどうでしょう?
既知の抵抗Rを可変抵抗に変更して、
Vx(インダクタンスの端子電圧)=可変抵抗の両端にかかる電圧
となるように可変抵抗を調整し、可変抵抗の抵抗値を測定する。
可変抵抗の抵抗値[Ω]=ωL[Ω]としてインダクタンスを求める。
この方法で想定している測定対象は、DC12V用のリレーのコイルです。
アドバイスを頂ければ幸いです。

DC12V用のリレーですと、パワーリレーか信号用りレーかで異なりますが、R1≒数10Ω、L1≒0.1H前後の物が多いようです。通常の使用状態では10ms位でリレーのON・OFFが行われます。かなりコイルの巻き数が多いので、直列にリレーの抵抗よりかなり大きい直列抵抗Rsを接続して、方形波FG信号を入力して時定数L/(R1+Rs)を測定することをお勧めします。
数kHz以上の高周波での測定はお勧めできません。リレーの寄生容量がかなりあると思います。
お考えの方法でも構いませんが、手数がかかるので、この程度の簡易測定では手順が複雑になります。
なお、リレーは磁気回路が可動鉄片により変化しますので、リレーがONにならない状態と、強制的に可動鉄片を吸引した状態でのインダクタンス測定を行うことが重要と私は考えます。

早速のご回答、ありがとうございました。
オシロスコープを使って測定してみます。

↑補足
繰り返し周期と直列抵抗値の選定がポイントです。機会がありましたら、インピーダンスメーターでの測定値と比較するとさらに面白いことが分かります。インピーダンスメータでは、周波数を変えるとR成分、L成分が変化します。条件を選べばこの様子が測定にかかるかもしれません。

参考になりました ありがとうございます

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