信号源抵抗と周波数特性
多くの回路は信号源抵抗が低いと周波数特性が高域に広がる。
エミッタ接地回路では,高域の周波数特性をおもに制限する寄生容量Cobの効果が減少し,場合によってはベース接地回路の周波数特性近くまで高域が広がることがある。
反転OPアンプ回路では,信号源抵抗が高いと見かけ上の増幅率が下がる。
スイッチング回路では,データシートの測定条件より低い抵抗の信号源で駆動すると,スイッチング時間が短縮される。
したがって,周波数特性を計算するときには,信号限抵抗を含めてモデル化しなければ実測と計算が大きく違うことがある。
信号源抵抗は回路図に記載されていなくとも,信号源抵抗を考慮したモデルで扱う必要がある。
回路シミュレータSPICEでは,直流・交流電源は理想的なものと扱われるから,意識的に信号源に抵抗を挿入しなければ,正しい結果が得られるとは限らない。
たかが,抵抗1本を追加した解析であるが,意外に影響の大きい場合もあると感じているアナログエンジニアである。
信号源抵抗,その値に配慮することなく行った特性予測計算は信憑性が少ない場合がある。
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