仮想短絡2
オペアンプ回路を,+入力端子とー入力端子が同一電位になると仮定して解く方法は有用であるが,限界もある。
仮想短絡の概念を用いると,少ない計算量で入出力の関係式を得ることができる。
関連する抵抗や部品をR1,R2・・・・などと置き換えると,入出力に関連する周辺素子に必要なインピーダンス比や抵抗精度を計算できる。
この計算は,必要な部品の精度を選定するためにおこなう。
しかし,仮想短絡を用いた計算では,オペアンプの選定基準と抵抗の絶対値を決める情報は含まれていない。仮想短絡はオペアンプの特性を理想化した結果,近似的に得られる概念である。
その前提は無限大の電圧利得,出力能力,オペアンプの電圧製誤差や電流性誤差は含まれず,かつ負帰還が安定にかかるとの条件がある。
しかし,計算量が相対的に少ないので,回路の基本機能を把握し,素子感度計算まで行える。
この理由で,初めて出会う回路の解析にアナログエンジニアは,オペアンプを含む回路計算には今でも仮想短絡の概念を用いて回路を解きほぐす。
仮想接地を用いる解析では,そのバックグランドとして必要な知識は少ない。オームの法則の正確なり回路とキルヒホッフの法則,それに高校物理・数学程度あればよい。
仮想接地の考え方を用い,オペアンプ回路になじみ,一気に非理想的オペアンプの効果を目指すことが,新人を想起に戦力化することに繋がると信じている。
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