ブリッジ回路 1
ホィートストンブリッジはR1:R2=R3:R4が平衡条件で,ブリッジの2つの中点に抵抗R5が接続されているときにR5を流れる電流Iが0となる。
この回路を一般形(文字式のまま)解く問題は,キルヒホッフの法則の演習問題として適切な規模である。他の知識も必要としない。
テブナンの定理を使えば1分で解けるが,アナログの中級者が真面目にキルヒホッフの法則を使って解けば20-30分で解ければ十分である。要領よく立式すれば5-10元連立方程式になると思うが,この程度の規模の文字式連立方程式を解く技能がなければ,アナログ回路を本格的に扱うことができない。
図の回路は,R5が無限大であれば,単なる分圧回路の差電圧を求める問題になる。結果の式はその結果を反映しもう少し複雑な式となる。(ヒント)
この問題,有限の抵抗を持つガルバノメータ(検流計)でブリッジの平衡状態をどこまで測定できるかの評価式ともなっている。
この問題では,求める変数はR5を流れる電流Iである。
何がともあれ,このクラスの問題を現実的な時間で解く能力がなければ,キルヒホッフの法則を理解したといえないと感じているアナログエンジニアである。
しかし,大学での基礎教育,基礎訓練が十分ではないので,電子系卒業生の方でも解けない方は多数存在するのも事実である。
初心者の方にはぜひこの問題を解いていただきたい。また,中堅の方にも回路の手解析がどのような手間と工夫が必要か再確認する意味で手がけていただきたいと考える。
『人気Blogランキング』の「自然科学」ランキングに参加しています。今日も貴重な1票をよろしくお願いします。【押す】
« 昇圧形DC-DCコンバータ | トップページ | 照準器の設定 »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント