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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2008年8月 6日 (水)

電源ノイズ1

1石エミッタ接地回路で,電源Vccが変動する場合を考えてみよう。

エミッタ接地回路では,電源Vccの変動がバイアス回路経由で,バイアス条件を変化させる。これは,入力換算ノイズとなるので,Vccの変動(交流分)がバイアス条件に影響しないように,バイアス回路のVcc側の抵抗を分割してコンデンサで交流分をカットする。この時定数は電源のノイズ周波数に対して十分なローパスフィルタになるように選ばれる。

出力のコレクタ側は抵抗負荷として,Vccが基準電圧ラインなので,Vccの変動はそのまま出力に反映される。

このように1石エミッタ接地回路においては,2つのノイズ伝播経路がある。アナログ回路においては,電源品質が入力換算ノイズレベルを決める大きな要因となっている。

電源ノイズの流入を回避しようとするなら,電源を安定化するか,回路規模の増大を代償としてノイズを受けにくい回路構成にする必要がある。

近年,多く使われるスイッチング電源やDC-DCコンバータのスイッチング周波数は100kHzを越え,しかも高周波のSWノイズが含まれる。高周波ノイズはアナログ系に使われる半導体デバイスの非線形性により回路のDC誤差となりえる。この現象を回避するため,精密アナログ回路では,できるだけ「静かな」電源を使用する。

アナログ回路においては,XX[V]±Y%では電源の評価はできない。その周波数スペクトルも大きな評価項目となるのである。

たかが電源,されど電源しかしアナログ回路にとっては重要なファクターであり,かつ回路設計のさまざまな要素を含むのでその設計は意外に難しい。内作しているアセンブリメーカが次第に減少しているような印象を受ける。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

5513様、はじめまして。最近このブログを
見つけまして、世の中にはまだこういった
感覚をお持ちの方がいらっしゃると感心
しております。アナログの話がとても面白
いので、どうか長く続けてくださるよう
お願いいたします。

ぎる様
アナログ屋さんが最近はめっきり少なくなりました。機械に芸をさせるのはデジタルですが,多くの機械ではアナログ部分で基本性能が決まると考え,できるだけ続けて生きたいと思います。

5513様はじめまして。私は今大学3年で電気工学を学んでいます。大学で簡単なアナログ電子回路を学びトランジスタのすばらしさを知りました。将来は自動車の回路設計に携わりたいと考えて今、回路設計の勉強をしています。しかし、自動車のどんな所に役に立つか、いまいちわかりません。もし、知っていたら教えてください。お願いします。

SAMURAIさま,はじめまして。
自動車業界ではさまざまな電子回路を使用しています。エンジン制御などはデジタル回路主体ですが,さまざまなセンサーが使われています。センサーとデジタル回路のインタフェースにアナログ回路が使われています。回転計はもちろん吸気圧センサーなどさまざまなセンサーが使われています。
自動車では,環境温度範囲が広く量産規模も大きいのでアナログ系もそれなりの設計が要求されます。
パワーエレクトロニクスも必要になってまいります。
今後の活躍を祈念します。

具体的で大変参考になりました。ありがとうございます。これから、何をやっておけばいいのか見えてきました。本当にご返信ありがとうございます。

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