一次遅れ回路1
一次遅れ回路のステップ過渡応答の計算は,電子回路の過渡応答を見積もるために最小限の計算である。
RC一次遅れ回路は,R経由でCを充電し,Cの端子電圧Voを計算することになる。
入力電圧をViとして,I=(Vi-Vo)/R=CdVo/dt
y=Vo-Viとおくと
dy/y=-dt/CR
ln|y|=-t/CR+C' C'は積分定数
従って
y=C1exp(-t/CR)
yを元に戻して
Vo=C1exp(-t/CR)+Vi
t=0 でVoは初期値VAと等しいので,この条件を上式に入れるとC1+Vi=VAとなるから
Vo=(VA-Vi)exp(-t/CR)+Vi となる。
高校で微積分をかろうじて学び,大学でほとんど基礎訓練を受けていない新人エンジニアには少なくともこの程度+αの説明が必要になる。先端技術を優先させて教えるあまり,多くの大学での電気・電子回路の基本がなおざりにされている。技術立国 日本は大丈夫なのか?
もちろん工学である以上,t=CRの値や,ステップ幅の0.1%に整定する時間など,主要な数値はきちんと演習しておく必要があると考えるアナログエンジニアである。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な1票をよろしくお願いします。【押す】
« キルヒホッフの演習問題1 | トップページ | 一次遅れ回路 2 »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント