合成サイリスタ
サイリスタはpnpn構造で,pnpトランジスタとnpnトランジスタが一体になった構造をしている。
従って,pnpトランジスタとnpnトランジスタを組み合わせてサイリスタ動作を行わせることができる。
サイリスタは順電圧が掛かった状態で,パルス電流をG(ゲート)に短時間流すとオフ状態からオン状態に遷移する。
合成サイリスタでは,AK間電流と同程度のベース電流が流れるので,十分なベース電流を流せる品種の物を使用する。
各抵抗はゲートトリガ感度を調整するためで,抵抗値を上げるとトリガ感度は増加する。逆阻止状態では,各接合にかかる電圧に注意が必要である。
回路シミュレータにおいては,バイポーラトランジスタの各接合は降伏しないモデルになっているので,この回路を用いることにより,サイリスタを模擬できる。トランジスタの電流増幅率は高い必要はなく,トランジスタモデルのhFEの値を低めに設定し,トリガ感度を抵抗値で調整すれば,シミュレーションに使えるレベルのサイリスタモデルとなる。
実回路の大容量サイリスタでは,電圧上昇率や電流上昇率に制限があり,トリガしない条件と確実にトリガする領域が定義されているので,使い方はバイポーラトランジスタよりも複雑である。
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