高校物理と数学
数学がある程度できなければ,高校物理を十分理解できない。
高校数学で習う筈の微積分の知識があれば,高校物理の多くの公式は覚えずに済みかつ応用力も広がる。
金原寿郎先生の書籍に高校生向けの,高校数学と物理を融合した本がかってあった。
たとえば,加速度αと質量Mと力Fの関係はMα=F
αが一定であれば∫αdt=加速度α・時間tの積分値=vt+C1:v:速度
C1はVの初期値である。
さらに積分をすれば,位置Lが決定される。
L=1/2×vt^2+vC1+C2
着目する時間尺度に対して,十分短い時間tにFが与えられれれば,運動量エネルギーの増加を計算できる。
これが力積の概念である。Fもtも測定できないときなどでも運動エネルギーの変化は観測できることもある。
質点系力学の先に電磁気学があり抽象度はさらに高い。
アナログエンジニアは物理学を受験必修としない大学の出身者は工学者として基本的に信用しない。
高校物理は受験に際して有利な科目ではない。その科目を高校で履修しない,本気で学んだことのない学生を大学での補習で補われるとはとても信じられない。
高校物理:重たい科目である。受験戦略としては物理を避けて他の科目を選択するならば,それは一流の工学者への道ではない。
しかし,工学者になるためには高校物理は不可欠である。そこで提示可能な世界は,今,世の中に広く目にするハイテク・コンシューマユースの製品のできることに比べてなんと地味なことか。
資源もなく食料も自給できない日本の生きる道は,モノを作り続けることだ。そしてそれを支える基礎学力と学ぶ執念が日本を支える。しかし,今の文部科学省の価値観では支えきれないだろう。日本は変わらねばならないと思う。
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