ツェナーダイオードの動作抵抗
ツェナーダイオードは定電圧ダイオードとも呼ばれる。
この素子の使用目的の多くは,変動する電圧源からほぼ一定の電圧を得る目的や電圧の制限の目的に用いられる。
この際,ツェナーダイオードの電流変化ΔIzと電圧変動ΔVzの比から,動作抵抗r=ΔVz/ΔIzが定義されている。一定の電圧を得る目的では,元電源に対して抵抗とツェナーダイオードを直列にして使用するので,動作抵抗rが判ればツェナー電圧の変動を計算できる。
しかし,動作抵抗は電流Izの関数である。
10V以下の低い電圧では,動作抵抗は大きく動作電流Izに依存する。
数ボルト付近では,動作抵抗rはIzにほぼ比例することが多い。
このことは,抵抗とツェナーダイオードの直列回路でのVzの変動は,元電圧を高くしない限り,その変動の低減率があまり変わらないということを意味する。ツェナーダイオード回路は,動作抵抗rが一定として考えると性能予測を誤る。低電流領域で過剰な性能を予測することになる。
動作抵抗は定数ではなく,電流の関数と考える習慣がついているアナログエンジニアである。
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