バリスタ
屋外設置電子機器では,筐体の外に出入りする電源線や信号線を経由して大きなサージが回路に侵入することがある。
誘導雷サージなどもその一例である。
この場合,サージアブソーバーの目的でバリスタを使うことがある。バリスタの吸収エネルギーが数10~数100ジュールのものが電子機器用途では使われる。
必要に応じてバリスタ回路の後段にLCフィルタやツェナーダイオードでさらに保護する。
バリスタ容量数100~数1000pFと大きいので,高周波信号の線間電圧制限には使いにくい面があるが,その効果は顕著である。多段保護する場合には,一番外側の保護素子から内側の素子が壊れるように耐サージ設計を行う。このようにすれば,保護素子が破損したとき,おおきなサージが入ったとして諦めがつくし,顧客にも説明しやすい。
大型の電気設備においてもそれなりのサイズのバリスタを使い,雷害を低減していると聞く。
屋外機器では,意外に大きなエネルギーをもつ単発サージが侵入する場合があり,耐サージ能力はシステムの信頼性に影響を及ぼすと考えるアナログエンジニアである。
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