補助電源
最近はだんだんと少なくなってきているが,トランス絶縁された複数の電源を用いるとアナログ回路の設計の自由度が高まる。絶縁された電源(フローティング電源)は回路上では電池と同じ様に,自由にGNDと異なる回路部位に配置できるので,アナログ回路を簡略化・高性能化することが可能である。
浮いた電源を使うと,定電流回路やハイサイドスイッチング回路などにおいて,アナログ回路回路が著しく簡素化できる場合がある。浮いた電源では,流れ出した電流は確実にその電源に戻り,かつGND電位と基本的に無関係に回路を組むことができる。
絶縁型DC-DCコンバータの回路形式は種々存在し,磁気マルチバイブレータやリンギングチョークコンバータ(RCC)などが使われる。
これらは複数の巻き線をもつパルストランスを自作し,また絶縁型DC-DCコンバータの動作をよく理解しておく必要がある。
プリント基板上の高さ制限のある場合には,コアの選択肢が制約される。過去に確立された電源技術であるが,いまやアナログ回路技術者の中でも,この技術を伝承されている方は数少ない。
電源コントローラICメーカーの技術資料に従って非絶縁DC-DCの定数を,ICメーカーの提示する式に従って求めていくだけの場合が少なくない。
電源,されど電源。電源は電子回路の総ての電力を扱うために,確立された技術とは言え中堅回路技術者にとっても易しい回路ではないと考えるアナログエンジニアである。
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