変革のアナログ回路
アナログ回路の世界では極端な長寿命回路がある。
アナログエンジニアは30-40年前に設計された回路のリニューアルも幾度か経験している。
長寿命回路は極論すると,2種類ある。
1. 本質を突いていて,見事に今でも通用する回路。これは部品の進歩に伴い性能が向上する。
2. 弱点を持ちながら,あるいは結果オーライで作成された回路。これは手を入れるにはかなり勇気がいる。このような回路は,設計データがほとんど残っていない。本質的に変えるならば,論理的解析的に変えるなら,長い実績に自らの責任で処理しなければならない。失敗すれば自分が傷つく。成功して当たり前と見なされる。
優秀なアナログ回路設計者は,そのリスクを自分で受け止める精神的エネルギーが無ければならない。
もちろん,過去の基本回路とその限界を承知の上で,頑健(ロバスト)かつその時代の先端デバイス/設計手法を取り入れなければならない。
2のタイプの回路は,1箇所に手を入れるとシステムバランスが崩れる場合が少なくない。同時に数箇所,メスを入れることになるケースが多い。新人にとって不毛の回路である。このような回路は多分どこの会社にも存在すると思う。
自己保身の結果できあがった回路,いくつかのトラップがある。汚い回路。アナログエンジニアはそのような回路設計を良しとすることは無い。
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