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2008年12月 3日 (水)

トランジスタのモデル

バイポーラトランジスタの能動状態の簡略モデルは,ベース(B),エミッタ(E)間に順ダイオード,コレクタ(C)とエミッタ間に順ダイオードに流れる電流IBをIBとして,C-E間にhFE・IBの定電流源を接続したモデルで表される。

ダイオード部分の特性は IB=IS・exp(VBE/VT)  VT:熱電圧,常温で26mV で表される。

VBEと電流の関係は60mV/桁で変化するので,特定の電流でVBEが判っているなら,他の電流でのVBEもかなり正確に予測できる。

VBEの値は半導体プロセスと使用する電流密度に依存し,0.1-0.9V程度であるが,一般の小信号用トランジスタではコレクタ電流1mAで0.5-0.7Vである。

ダイオード部分が非線形なので,そのままでは扱いにくい。設計者が使う近傍でのVBEを一定として近似すれば,トランジスタ回路のDCバイアス計算をかなり精密に行うことが出来る。

バイアス点からの変化に対しては,上式を微分して ri=ΔVBE/ΔIB=VT/IB を用いる。

この計算で,能動状態のトランジスタの入力抵抗が判り,電圧増幅率をキルヒホッフの法則を用いて計算できる。

高周波数特性を概算予測したいのであれば,C-B間に寄生容量Cobを入れて考える。Cobは逆バイアスされたpn接合の容量なので,およそコレクタ電圧の1/2~1/3乗に比例するが,小信号を扱う際には変化しないものとして考える。

このように書けば,バイアス計算も電圧増幅率の計算も簡単に見えるが,式の途中結果は結構複雑なので意外に時間がかかる。

半導体物理に精通していなくとも,このモデル式から出発すればトランジスタ回路の基礎は理解できるとアナログエンジニアは考えている。ただし,ダイオードの特性式を実験的に測定してた経験が必須であるとも感じている。

どこまでブラックボックス化しないで,説明するかは受けての経験に依存する。

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