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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
  • 連絡先
    私への講演、セミナー、技術指導などのご依頼はこちらまで↓ okayamaproあっとまーくyahoo.co.jp  あっとまーくは半角の@にしてください
  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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新刊

  • 岡山 努: アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊

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2009年2月

2009年2月27日 (金)

家猫

我家の猫は1歳の茶トラの雑種。室内で飼っている。名前は安直にチャー。

これまで何匹か飼っているが,同じ性格の猫はいない。

特徴は,運動能力が高く,前足がとても器用である。軽い引き戸で爪がかかれば開くことができる。

助走なし垂直ジャンプで1.2mは跳べる。水平なら1.5mくらい。柱の垂直登攀が今でもできる。大抵,飼い主より同じかより高い場所を好む。

起きているときには,飼い主の行動を読み先回りする。お風呂,トイレも油断すると入られる。

何でも齧ってみる。PCのマウスも2個断線。他の家電品の電源線も安泰ではない。被害の都度,修理してスパイラルチューブで齧られないようにする。

しかし,鼻はそう敏感ではないようだ。舌で感触を確かめてから齧るようだ。

衣類もいくつか齧られている。それも純毛の良いものから穴をあけられてしまう。

そんな猫だが,私と猫の知恵比べだと思って,楽しんで飼っている。

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2009年2月25日 (水)

計測の0.1%精度

普段,測定値を4~5桁で記録することが多いが,本当に信頼できるか否かよく考えてみる必要があると思う。

デジタルで言えば10bit程度であるが,0.1%以上の測定値は測定条件をよくチェックする必要がある。

長さは測定対象の線膨張係数により,精密には温度を規定しないと被測定物が伸び縮みする。

質量は空気の浮力補正や重力補正が必要なレベルである。質量計の測定原理によって異なる。

電子回路に内蔵される基準電圧源は5×10^-6/℃程度の温度影響を受ける。

計測器は国家標準に繋がるように2次標準器を経由して計測値の確からしさを保証するため,定期的に校正される。

電子回路では,ふつうアナログ部でゼロおよび感度の微調整を行うよう製作されている。

大学の教科では,計測概論あるいは計測工学などに相当すると考えているが,この辺りをきちんと教えている大学が減少しているような気がする。

科学は計測に始まって計測で完結する。

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2009年2月23日 (月)

回路のブラックボックス化

アナログ集積回路の設計・製作では分業化が進行している。

そして量産されたICを使う多くの回路設計者は,そのICの中身にほとんど立ち入ることなく回路を設計する。

アナログ集積回路では,半導体プロセスとパッケージの制約から大電力や高電圧は扱いにくい。

計測回路などでは大電力や高電圧も扱うので,現在もトランジスタなどの個別素子を用いてアナログ回路を構成する必要がある。このような場合には,ICの構成要素であるトランジスタの特性とその数式モデルと向き合うことになる。そして,使用する受動部品やトランジスタ特性の違いにより,異なる評価基準でアナログ回路を構築していく。

アナログ回路設計者の多くはICを含む個別部品との複合で組むエンジニアである。解析結果を反映して望む結果を得るための戦略を考えることが必要である。解析が因果関係の探求であるとするなら,設計は複数の価値観での果因関係の解明であるとアナログエンジニアは考える。

大学の工学部なら,因果関係の探求だけではなく果因過程の制御すなわち設計も教育して欲しいものだ。

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2009年2月 9日 (月)

久ぶりのSPICE

久しぶりにSPICEで,100トランジスタを越える大規模解析を行った。

トランジスタのパラメータを改変し,アナログICを丸ごとシミュレーション。

トランジスタパラメータは回路を簡単にするために行い,ICと比べて極小規模の回路を設計した。目的は負荷急変に対する応答波形の取得。

トランジスタのパラメータを意図的に高性能化することにより,回路規模を縮小。

ロジックIC部分は,当初デジアナ混在解析機能を用いたが,収束エラーが続出。対応するも計算時間が長い。それでICの中身を簡略化してトランジスタベースで回路を作成し過渡解析に入る。

CAEは設計能力のない素人が使えば,ゲームと同じ。設計能力があれば,自分の設計・解析能力の1歩か2歩先まで見ることができる。

複数の物理現象を同時に扱う解析を連成系というが,この種のCAEの扱いは相当な素養を要する。

ちなみに,SPICEは基本的に電子回路とその温度依存性を同時に扱うシステムではないと思う。

必要があれば,半導体物理,部品の温度依存性を考慮して異なる温度での性能や限界を解析するのだ。

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2009年2月 4日 (水)

オペアンプの温度特性

直流増幅で注目しなければならないオペアンプの特性は,オフセット電圧の温度特性である。

オフセット電圧の温度係数はオフセットドリフトとも呼ばれ,その値と環境温度変化の積が期待できる扱える信号の下限となる。

低ドリフトオペアンプでは,±0.1μV/℃(典型値)程度である。多くはバイポーラ型である。

0.1μV/℃は,VBEの温度係数約2mV/℃の1万分の1以下であるので,初段の差動対に2万分の1℃の温度差が環境温度,内部回路の発熱の状態変化があっても実現できないあたいである。

コレクタ電流差を温度換算すると0.2%となるが,これもまた厳しい値である。初期の頃は抵抗負荷差動増幅器のコレクタ抵抗をトリミングしていたようである。

高精度オペアンプの出現により,複雑な変調・復調回路を用いないでも低mV増幅が可能になった。オフセットドリフトはゼロ点性の温度特性である。

オペアンプは外部回路で帰還をかけて使うので,利得に関与する抵抗,コンデンサの影響を受ける。これらもまた,温度依存性のある素子であり,環境温度の影響を受ける。

空調環境下でない限り,アナログ回路は動いて当たり前,温度依存性を目標以下に抑制すべく部品の温度係数を選ぶ。これが,実務でのオペアンプ回路の1側面である。

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2009年2月 3日 (火)

オペアンプの電源

オペアンプの電源変動の影響は電源変動の周波数の関数で,電源除去比(PSRあるいはPSRR)と呼ばれている。

大雑把に述べると,オペアンプの帯域上限辺りで,入力換算で電源ノイズ周波数の1/2程度の影響を受ける。

オペアンプの品種により異なるので,電源除去比の周波数特性はふつうデータシートに記載されている。

GND電位が高周波でふらつくと,オペアンプの+電源とー電源がふらついた形となる。

オペアンプの電源は静かでなければならない。高精度増幅や微小電圧・電流増幅においては,その電源品質にアナログエンジニアはとても神経を払う。電源がDC-DCコンバータだと,1桁ノイズレベルが異なることも珍しくはない。

やむを得ずDC-DCコンバータを使うときには,その後段に3端子レギュレータを用い,2重に安定化することもある。

電源ノイズはアナログオシロのAC結合を用いて定量化できる。

最高の性能を目指す時には,商用トランス+ドロッパ式による電源を用いることもある。

オペアンプの電源はアナログ信号処理の品質を大きく左右する。

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2009年2月 2日 (月)

アナログ回路実験

2石無安定マルチバイブレータの定数無しの基本回路を示し,LEDを指定の周波数で点滅させる回路を学生/新人に設計・製作させる場合を想定する。抵抗,コンデンサは十分広い範囲の素子をあらかじめ準備しておく。電源電圧は指定しない。トランジスタの品種は指定し,LEDとトランジスタカタログデータは閲覧できるようにしておく。

このような条件で,実回路を設計・製作させるとさまざまなトラブルが発生するのがふつうである。半日の実験時間では動作する回路を造れない。条件の与え方によっては学部学生の卒論くらいの時間が必要になる。

さまざまなトラブルが発生する。結線ミスもある。

(1) 発振しない。→ベース抵抗とコレクタ負荷の不適合。トランジスタのピンの間違い。

(2) LEDが不点燈。→LED電流が過少。

(3) 発振周期が目標にならない。→B-E接合の降伏,電解コンデンサの極性間違い,許容誤差,LED挿入場所に依存して,片周期0.69CR(自然対数の2:ln2×CR)ならない。

(4)トランジスタなどの過熱→コレクタ電流の過大など

もちろん回路定数を決められず,試作が始まらない人も生じる。

など,など

このような問題が生じるので,定数を与えてキット化して実験させる場合が多い。

しかし,アナログエンジニアは十分な指導の下で解析の簡単な回路で,早い時期に定数決定を含む回路つくりを経験させるべきであると考えている。

出来上がった回路を与えて(ブラックボックス)結果のみ観測した後,違う条件での動く回路の製作経験が回路のブラックボックス化を防ぐひとつの手立てであろう。

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