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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2009年3月

2009年3月31日 (火)

パソコンの発煙発火事故

我が家のミニタワーPCが発火する瞬間に遭遇した。

オレンジ色の火がPCの背面からほぼ水平に少なくとも数cm伸びた。この光ですぐ気がついて、コンセントを引き抜いた。強い光だった。その後、かなりの異臭、若干の煙が残った。今まで人生のうちで、このような事故を見たのは初めてである。無人だったら火災に発展していた可能性は十分にある。元電源15Aのブレーカーはトリップしなかった。

使用年数に関係なく、家電品、OA機器ではあってはならない事故・故障モードである。某有名メーカーの品とだけ言っておこう。このような発煙・発火が複数件あればリコールに繋がりえる重大な故障だろう。

気持ちが落ち着いてから、外観を見る。そして筐体のカバーを開く。背面電源部のインレットの右側に煤の痕跡。メッシュ金属部から見える範囲には焼損部品があるようだ。

アナログエンジニアが、現品の独特の臭いと煤の位置から考えると、SW電源の一次側の基板焼損あるいはコンデンサ破損の可能性が高そうだ。消火を確認し現状を保存。メーカーのサポート窓口が開く時間を待つ。

サポート窓口に入るには複雑な手続きと待ち時間が長い。一人目の対応者はまともに対応してくれない。買い替えを進めるだけ。

急遽有料のサポート手続きを行って再度アクセス。今度は女性のペレー多が出た。事故状況を話すと、すぐ謝りの言葉(お怪我ありませんでしたか、被害はありませんでしたかなど)、そして、すぐメーカーとしての対応を話してくれた。

一人目の人から再度TELを入れさせると言ったが、電話は来ない。再再度、、サポートセンタにアクセス。今度は一人目の担当者にすぐ繋がる。またもや自分の都合だけを言う。強い口調で押し問答。修理予定を確認させた。ことの重大性をわかっていない。(ふざけるな!)

この間約4時間を要した。疲労感はあまりない。

しかし、2人目の女性オペレータの対応は的をえて見事でった。逆に言えば、このような事故への対応がオペレータレベルでできると言う事は、その会社で同様な事故が存在した可能性は否定できない。

信頼性とサービスが悪ければ、製造業は生き残れない時代、それが現在である。

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修理状況しだいでは、各種ソフトの再インストールやバックアップデータの新旧判別しながらの転送作業が必要になるだろうな。

2009年3月30日 (月)

目覚まし時計の分解

Photo ←庭に咲いた大輪の水仙。我家のさちがいくつも球根を植えている。

極めて安い針式表示の目覚まし時計が壊れ,電池を入れ替えても動かない。

例によってアナログエンジニアは燃えるごみと燃えないごみの分別を兼ねて,分解を試みる。

見たい部分は2箇所。単コイルのパルスモータの構造と減速歯車の出来具合である。極限までコスト低減した製品だから,簡単には分解できない。ニッパで外ケースを切る。

基板は総てプラスチックの支柱を溶かして固定してある。

短針の歯車を手で回すと,一秒パルスモータの軸が軽く回転する。減速率は60秒×60分程度だから,ふつうは軽やかには回らない。見事な精度のプラスチック歯車列と軸である。

モータの励磁コイルは長さ約2cm,銅量は約4g,線径は70μm(髪の毛くらい)。磁気回路は厚みが0.5mmくらいと非常に薄い。当然,日本の人件費では作れない。タイ製である。CMOSであろう集積回路は黒く硬い樹脂でコーティング/防湿されており,手持ちのカッターでは全く刃がたたない。膨張係数を下げるためにセラミックの粉末が含まれているのだろう。針式腕時計は一体どんな構造なのだろうか。まだ分解したことがない。

いま,製造業の多くは,さまざまな工夫を凝らした製品を,悲しくなるくらいの値段で販売している。そして,その製品を我々は使い捨てている。こんなライフスタイルは続けられる訳がない。今回の不況はその始まりかもしれない。

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2009年3月28日 (土)

にわか兼業主夫

Photo ←庭に咲いた水仙,数種類の品種の水仙が一斉に咲いている。

技術士事務所を自宅にした理由は,アナログ回路実験設備と大量の書籍を置くスペースを借りると損益分岐点が上がるからなのだが・・・

我家のさちは仕事を持っているので,私の方が家にいる時間が圧倒的に長い。→家事の分担率が高くなる→にわか主夫見習い。

やってみると,色々な簡単な家事のコツや,もののあり場所がわからない。そこで,一念発起してまずは整理整頓から始めた。結構大変である。整理のポリシーも異なる。各部屋の一番良い場所が使えないのだ。不要物や重複物も多い。

まずは整理,分類するための空き収納場所が一つはないとそれもできない。これだけでもジクソーパズル的になる。良い場所はどこか?妻の行動パターンを観察する。教えてもらいながら自分流にアレンジしていくのだが結構先のことを考えないと使い勝手が良くならない。長期戦か。

いかに妻に頼っていたかが身にしみる。感謝,感謝。

将来的に労労介護の可能性もあるし,親たち,共働きの娘の子育て緊急応援は必須。

今のうちに家事を覚えておかないと・・・。危機感!!!(笑い)

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2009年3月27日 (金)

スイッチングコンバータ余禄

スイッチング電源関連の本には,動作に必須の部品が省略されていることや明らかに間違った記述がある場合がある。これでは,一生懸命読解しようとしてもその努力は報われない。

動作に必要な部品の表示が記載されていないためである。

初心者向けの本は,ある程度のSW電源を扱えるようになったアナログエンジニアから見ると,理解しがたい部分が多い。かえって,難しいのだ。

また,ハンドブック形式の本は分担執筆し,監修者はその内容をチェックしていない場合もあるので全体的に記述の統一が取れていない場合がある。たとえば,某ハンドブックの14pには,2つの1次コイルをもつプッシュプル型コンバータの回路・方式の中で「トランスが・・・・問題点があり,殆ど用いられない場合がある」との記述があるが,きちんと設計するなら非常に良好な性能を発揮する。ただし,注意深くタイミング設計しないと破局的動作不良となる。

私が持っているSW電源関連の本で早い時代の本はN社のS氏の物で1979年初版である。恐らく日本でのSW電源に関する本の中では最も時代の早いものであろう。副題は-どうすれば設計できるか-である。

SW電源は,NASAが人工衛星の電源システムに利用した歴史がある。

地方では専門書を扱う本屋さんの閉鎖が相次ぎ,今では東京に行くかインターネット購買するしかない。本を手に取り内容を確認して買うことが出来ないので当たり外れが頻繁に起こる。悲しいことである。

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2009年3月26日 (木)

SPICEのマクロモデル

オペアンプや一部の電源ICでは,回路シミュレータのマクロモデルが使われている。

オペアンプのマクロモデルは,入力段はトランジスタモデルを使い周波数特性やダイナミックレンジを数式で表現されている。

オペアンプのオフセット電圧やバイアス電流はよく表現されているが,特定の型名を指定すると入力特性は総て同じとなる。したがって,計測増幅器などのように2個のオペアンプの特性の差が問題になる回路においては,非常に良いシステム特性が結果として得られる。

マクロモデルの内部の数式モデルとその限界についての記載のある書籍は非常に少ない。

大部分は数式化されているので,オペアンプの内部回路の特性が影響する電源ノイズなどの解析は通常意味がない。出力ダイナミックレンジについても(電源電圧-固定電圧)の形である場合ほとんどなので,負荷電流による出力ダイナミックレンジやその温度変化などは現実と異なる。

必要に応じSPICEにより,テスト回路を組み現実と比較しておくことが重要である。マクロモデル以外の基本デバイスも,自分が解析しようとしている特性項目に関連するテスト回路をSPICEで組み,そのモデルの限界を調べておかなければならない。

手計算でどのような項目が問題になるを知らずして回路シミュレータを使う事は,あまりにも危険である。

アナログエンジニアはSPICEも含めたCAEツールを結果の予測や問題となる観測場所を決めることなく,CAEツールを使う事はない。

マクロモデルは計算時間の短縮に有効であるが,その分現実の回路との乖離を強く意識して使わないと,間違った結果を得ることになる。

私には,解析に使うモデルを知ることなくCAEツールを使う勇気はない。

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昨日の東京は低温,小雨。神田川沿いのソメイヨシノは咲き始めているが開花は遅れるだろうかな。

2009年3月25日 (水)

整理整頓

必要なときに取り出すことができなければ,そのものは無いのと同じである。さらに付け加えるなら自分の使える空間が減っているのだから2重3重の無駄が生じているとも言える。

整理の基本は,物の前にモノを置くな。モノを重ね置きするな。これが案外難しい。

同じ物を並べたときには例外となる。予備を持っている必要がある消耗品などはストックは必要だ。

物の置き方には,ある程度の余裕の空間がなければならない。

作業の区切りは取り出したものを元の場所に戻したときで区切りとする。実験も同じだ。

時々,不用品を捨てる。捨てることにより,整理するための空間,物の並び替えが可能になる。

2個,3個あるものは,手になじむ良い物だけを残して捨てることも必要だ。いつかは役に立つ,使うだろう では整理にはならない。

家庭においては,思い出の品も多々ある。捨てられないものもたくさんある。

自分の動線を考えてモノを置く。これが出来れば,整理は自然に出来る。

このような視点は,自分の思考過程の整理整頓にも繋がる。いざというときに活用できない知識は知恵と呼ぶことはできない。

このように書くと,いかにも整理された環境で生活しているように見えるが,今は整理するための空間を作るために不用品の選別を始めたばかりである。一念発起して家庭にいることの多い自分が整理の主導権をとることにした。

その理由は判断保留のものなど沢山あるからである。捨てにくいものも多くある。

しかし,頭の中も身の回りの物もいつかは整理して捨てなければならないとも思っている。

整理整頓は本当に難しい。しかし,ストレスの低減や作業,思考の速度が上がることも確かであろう。

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2009年3月24日 (火)

回路屋の育ち方4

--初めての開発会議参加--

入社して2~3年頃の出来事である。研究所も巻き込んだ開発会議に初めて参加したときのことである。

開発会議が始まって少したった後,私は開発中のセンサのインピーダンスを10数倍に上げることを提案した。回路屋の立場からすると,センサのインピーダンスを上げないことには,消費電力の制約から開発目標の信号レベルが得られないからであった。

センサ製造プロセスから見れば途方もない要求事項であった。しかし,YES,NOが私にははっきりしないまま種々の議論がなされていたのであった。いつの間にか,センサインピーダンスのUPを前提に議論がなされていた。

初めての大きな会議の席上で,若造であったアナログエンジニアはセンサ本体の開発仕様に介入してしまったのであるが,すぐには自分の提案が受け入れられことに気がつかなかった。

電気信号を出力するセンサの場合,アナログ信号処理も含めないと計器としての性能を予測できない。

逆に,センサの特性が開発過程においてどのように進行していくのかを先読みしないと回路開発が間に合わない。

今のMEMSのさきがけ的な開発であった。この後,回路屋代表として数年近くの開発に参加することになった。そして,色々な分野の専門家と知り合うことになった。この経験は後にさまざまな場面で役に立った。

アナログ回路はセンサを通じて自然界と密接な関係をもつ。当時は小電力の数値演算が出来なかったので,アナログ回路でさまざまな補正を行う必要が生じていた。

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2009年3月23日 (月)

抵抗体のトリミング

個別部品の抵抗体は多くの場合,絶対抵抗値の目的でトリミングされている。

集積回路でも,薄膜を使った高抵抗比を実現する場合にはやはりトリミングを行う。

抵抗体のトリミング方法には,古くはサンドブラスト,最近では多くレーザートリミングを使用している。

抵抗体の安定性は,抵抗体のパターンとトリミングの際のカット方法にも依存する。

抵抗パターンの電流方向に垂直に一本だけカットラインを入れる方法(仮にIカット)はカットの先端部が綺麗かどうかで弱点を持つかがある程度わかる。

電流方向に距離を離して2本カットを入れる場合もある。同一方向からカットすると抵抗値のを微調整しやすい。逆方向から2本のカットを入れると大きく抵抗値を調整できる。

Iカットをした後電流方向に曲げて微調整するLカットも用よく使われる。

いずれにしても,低めの抵抗値から出発してカットにより(測定しながら),抵抗値を高い方向に調整していく。

抵抗体のカットの側面も弱点になりえる。プロセスの都合あるいは抵抗体に保護膜があり,保護膜ごとカットしたくない場合には抵抗体の一部を導体で短絡しておき,そこを切る。

たかが抵抗と言われるかもしれないが,アナログ回路で精度,安定性共に良好な抵抗は高性能化に必要なコンポーネントのひとつである。

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2009年3月20日 (金)

ワンチャンスの洋弓

昨日は汗ばむほどの陽気。

ここのところ天候不順で,天気予報も前日にならないとはっきりしない。

自分の予定と天候がなかなか一致しなかった。

50mと30mから90分で久しぶりの150射した。調子はまずまずだが,着弾中心が左より。

射に入る前,県協会のOさんが,的の畳の寸法を測りに来た。一畳と半畳の畳床を縫い合わせてくれる職人さんの関係で,的のパッドが入手しにくくなってきているとのこと。

現在の柔らかくなった畳は2枚重ねでも矢が貫通し60数cmの矢の矢筈まで時々,的に埋まってしまう。

先々週は東北の大学のアーチェリー部が40人近くで射場を4日借りきり合宿。このようなとき,畳は一気に柔らかくなる。今は的の中央付近だけでなく,6点付近まで柔らかい。こういうとき,畳は一気に傷んでしまうのだ。

最年長のUさんが来たし,自分も区切りだったのでで30mに移動。退職後,初心者講習からスタートした方で,調子が良いときだけ50mを射つ。彼は終わりころ,30mで,かなりいい線の射。

次の日曜日の天候はどうなるか。気にかかる。

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2009年3月19日 (木)

変圧器とヒューズ

商用電源で動作する電子回路では,最終保安装置としてヒューズを用いる。

通常はAC100Vラインの片線とヒューズと変圧器の1次巻き線を直列に接続する。

ヒューズは過電流時には断線モードで回路を遮断するが,ヒューズの定格を守らないと稀に半断線状態になりえる。

最近では各種SWレギュレータで直接安定化されたDC電圧を得るが,SWノイズを嫌う精密電子回路では今も商用周波数変圧器が使われている。

容量の大きく異なる2次巻き線を有する変圧器の過電流保護が1次巻き線側のヒューズで保護しようとする場合には,容量の小さい2次巻き線の短絡で,ヒューズが飛ばない場合がありえる。このケースが想定される場合には,小心者のアナログエンジニアは2次側にもヒューズを挿入することがある。

2次巻き線側にヒューズは必要か否かは,最小容量の2次巻き線を短絡した時に1次巻き線側のヒューズが飛ぶかを確認すればよい。

もうひとつの解は,小容量系統を独立させて小型の変圧器とそれに見合ったヒューズを使うことである。

ヒューズにはファーストブロウ,ノーマルブロー,スローブロー,タイムラグなどの種類があり,用途に応じ使い分ける。

最も簡単で信頼性の高いとされるヒューズでさえ,最終保安装置であるが故にその機能の確認は欠かせない。

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2009年3月18日 (水)

ワープロ思考

ワープロは手書きより便利だが,失われていく能力も多い。

まず,漢字が書けなくなる。選ぶことはでき,読めるのだが書けなくなる。

次に,リアルタイムで自分の考えを纏める能力を使わなくなる。

順番はどうにでもどうにでも後で編集機能で変えられる。思いつくまま話題をとりあえず打ち込めばよい。

かくして,安直に流れやすくなる。

順不同にテーマに関連する自分の持ち物を思いつくまま列挙する。そして,図を作り挿入する。そして,編集機能によりより適宜順番を変更し,一応のストーリーに繋ぎ合わせる。そこには,エンジニアだけではなく,論理的な会話を出来る思考形態はない。

したがって,書き並べた項目の軽重の判断と,読み手に合わせた内容の取捨選択をリアルタイムで処理する能力の低下に繋がる。

与えられた時間内で聴衆の層に合わせながら,リアルタイムで組み立てながら話を首尾一貫して話す能力が低下する傾向にある。

その結果,オンラインで話す内容,話の伝達能力が低下していくのではないか。

使わない能力は低下していく。中には,最初からその能力が低い人もいるか。

維持する最小限のトレーニング,実践の場が必要な気がする。

アナログエンジニアは,今も,順番入れ替えの困難な手書きで字数あるいは時間制限のある原稿作ることがある。このトレーニングを止めてしまえばリアルタイムでわかる話をすることが困難である。コンサルタントは限られた時間で,相手のレベルにあった指導が出来なければ次の仕事はない。そう,心得ている。

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2009年3月17日 (火)

回路屋の育ち方3

-磁気マルチバイブレータとの出会い-

コアの磁気飽和を利用して発振させる2石式DC-DCコンバータである。利点は絶縁されたDC電源を2次側にいくつでも得られ,2次側を全波整流すると少ないコンデンサでもリプルの少ない電源となる。当時はトランジスタが高価だったので,フローティング電圧源を多数使用して部品数を少なくする戦略が有効であったためである。

私の出会ったのは,1次側に主コイル2つとトランジスタのベースを駆動する補助巻き線2つを持つロイヤー回路と呼ばれるGE社の特許回路であった。

Photo_2 

トロイダルコアを使い,その材質は角型ヒステリシス特性をもつ。通常1kHzで自励発振させる。Vpが元電源でRsが起動抵抗である。トランジスタQ1とQ2が交互にオンする。

この回路はコアが飽和すると,オン側のトランジスタの電流が急増する結果,ベース電流とhFEで決まる電流値でオン側のコレクタ電圧が上昇するとともに,オフ側のベース巻き線によりオフ側のトランジスタが導通して転流する。これが正しい理解である。

アナログエンジニアはこの結論に至るまでに,足掛け3年かかっている。

途中まで同じ頃入社のST氏と議論を重ねた。彼はアナログもマイコンもこなすエンジニアであった。

後に本人から聞いた話であるが,技術では敵わないから自分は管理・経営者を目指すと言った。

同じことが私にも生じた。同年代のデジタル回路のSS氏はゲートレベルから出発してSSIにより一人でコンピュータを構築できる技量を持った人である。私は40歳前にデジタルにも興味をもったが,SS氏の大きな存在と,既に基礎から指導を受けられる立場では無かったことにより,デジタルの分野でのプロにはなれなかった。

両雄あい立たずか・・・・・。

同じ時期に,同じ職場で同じ分野の複数のプロは育ち得ないのかも知れない。

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   最近コメントが増えて家主は喜んでいます。

2009年3月16日 (月)

理想化ダイオード回路余禄

2 ←理想化ダイオード回路

図をクリックすると大きくなります。

この回路は入力Viが正のとき,オペアンプの-入力端子(点a)がわずかに正となり,オペアンプの出力は負方向に振れる。すると,点aとオペアンプの出力間のダイオードD1が順方向になり点aは仮想短絡,オペアンプ出力はダイオードD2が逆方向で,点aの0Vがそのまま抵抗を介して出力されて常に0V。

負入力では,同様に考えてD1が逆方向,D2が順方向になるので反転増幅器と同じ動作をする。 これで,精密整流ができる。

アナログエンジニアは若い頃,この回路に出会ったときちゃんと理解するまで1週間かかっている。

では,D1が無いとしたらどうなるか?この条件は1種の故障解析である。

出力端Voで観測すると,ふつうは全波整流に近い波形がでてくる。正入力のとき,オペアンプの入力端子にかかる電圧がオペアンプの同相入力範囲にあるので,オペアンプのバイアス電流が無視できる。その結果,正入力時にはそのまま入力電圧が出力となる。出力端に負荷RLが繋がっているときには入力が分圧されて出力される。

このような例を挙げたのは,故障解析や不動作時の検討をすることが設計出来ることよりも数段困難であることを例示したかったからである。

ブラックボックス化のレベルをより根源的なものへ,源流の方向に遡らなければならない。難しい。

故障しないプラントはありえない。故障しない装置,器具もありえない。そして,本質安全(ルーツは労働安全,防爆か)は確率的にしか存在し得ないと考えている。

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2009年3月15日 (日)

3っつのマナー違反

アーチェリー場での私のマナー違反。

私はヘビースモーカーである。射場の脇のテラスの下で煙草を吸った。Uさんが風上に移動した。私の煙草の煙がUさんを直撃したのだ。一言,間接的な表現で注意してくれた。常連では私一人が煙草を吸う。

そう言えば,先日30mの射線ラインのすぐ後方に煙草の3本の吸殻があった。自分の吸う銘柄ではないが,黙ってその吸殻を拾った。私が捨てたと思われたくなかった。あまり気持ちの良いものではなかった。しかし,50歩100歩。

そもそも,スポーツ施設内で煙草を吸うこと自体が間違っている。自覚はしているのが,ついやってしまった。煙草を吸う人は軽い一酸化中毒になっているのかもしれない。息切れしやすくなる。昔,ゴルフのプロがコース内で煙草を吸っているのを幾度かテレビで見たことがある。違和感があった。それを自分がやっている。144射1000点を目指すなら,こんなことをやっているようでは自己矛盾である。

3番目は,新しい弓を手に入れた I さんの弓,持つことに関しては了解をとったが,弓を引くことに関しては了解を取っていない。リーチが私のほうがかなり長いのでフルドローするとIさんの引き量より,長く引くことになり弓に負担がかかる可能性がある。

競技用の弓は殺傷力がある。武器由来のスポーツだから些細なことでも声を掛け合って,マナーと安全を確認する習慣が大切。

今日は年度末恒例の45射での内輪の行事。まずは,煙草と携帯灰皿を車の中において,射場に持ち込まないようにしよう。

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2009年3月14日 (土)

携帯電話

709sc_1496 ←私の携帯電話 709SC

  スライド式、85g、W-CDMA方式

今までの機種は、雨戸を閉めると自宅では受信できなかった。古い機種で、機能も簡単なもの。家族間の連絡用だったので、それでよかった。

今度の携帯電話は雨戸を閉めた自宅でも楽に受信できる。

退職後、生活スタイルが変わったので、思い切って機種変更、多機能、軽量薄型の機種に乗り換えた。

まだ、基本的な機能と、写真の撮り方しか覚えていない。

分厚い取り扱い説明書が付属している。まだ一部の機能しか使っていない。ぼちぼち、様々な機能を試してみるつもりだ。

我が家の「さち」からはこの記事出すなと言われた。時代遅れで、今の携帯電話文化からはるかに遅れているよ。

確かに遅れているが、今度は願望があってこの機種にしたので、頑張って使いこなして行きたい。

今までは携帯のマンマシンインターフェースを意識してこなかったが、ぼちぼちいろいろなことを試してみようと思っている。

薄型スライド式なので、コネクタの形状が従来とかなり異なる。車に接続しハンズフリーの車側の自動車電話機能は今のところ使えない。

当面の課題は、画像データのパソコンへの転送、携帯でのインターネット、効率のよいフォルダ管理を覚えなくては!

キーの数が少ない分、携帯特有の操作が多い。覚えきれるか。

近い将来には、携帯からのブログ更新も行いたいと考えているアナログエンジニアである。

(この記事,下書きを作成してからずいぶん経過している。普段あまり使わないので一度はできるようになるが,やっぱり操作方法を忘れてしまう。悲しい。次は簡単操作のものに買い換えるかな。)

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2009年3月13日 (金)

我家の断熱

約30年前に建てた和風の木造住宅である。

各部屋の間仕切り壁にも断熱材を入れてある。部屋を個別に暖冷房できるようにしてある。

窓からの熱伝達は雨戸を閉めカーテンをかける前提で計算してみると,何とか許容範囲に入る。当時は2重ガラスサッシは非常に高価だったので私には手が出なかった。

当時,覚えたての熱伝達,熱伝導の本の式と理科年表の物性値を入れて冬場の板間の表面温度を計算した。風が吹いて外気温が板の下面と同じと仮定すると,暖房して室温が20℃あっても床の表面温度が我慢できなくなる程度まで冷え込むことが予想できた。

建築途上のことである。2部屋は間に合わなかった。畳部屋は問題ない。

間に合った部屋には床断熱も入れた。

非常にラフな計算だったが,床断熱の効果は確かにあった。

間仕切り断熱と床断熱により,現在は10畳用の暖房器具で3部屋20畳以上の暖房が出来ている。もちろん天井断熱は1階と2階部分にも行っている。

子供達が独立して居住人数が減った今,各部屋の間仕切り断熱と床断熱をしておいて正解だったとアナログエンジニアは考えている。

この断熱計算,実は電子回路のパワートランジスタの計算手法の応用である。

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2009年3月12日 (木)

回路屋の育ち方2

誰にも当てはまるとは思っていない。あくまで,アナログエンジニアの一例である。

義務教育の頃は真空管,高校の頃はゲルマニウムトランジスタの出始め,大学の頃はシリコントランジスタ,就職後は小規模集積回路(SSI)オペアンプの時代を経てマイコン全盛,複雑なアナログ・デジタル回路へと変遷してきた。アナログエンジニアの感性はこのような時代と悪環境下での計測と深く係わっていると思う。同世代の競合他社にも感性を同じくするエンジニアの存在を後に知った。

転職して最初の仕事は悪環境下で使用する小規模アンプの試験であった。エンジニアの卵が与えられる通常の訓練仕事である。

技師の方が一通りの手ほどきをしてくれたが,否定的結果がでた。否定的結果をきちんと報告するには,肯定的結果を出すよりも慎重な実験と検討が必要である。この部分回路構成は今も再現できるだろう。

さて,指導してくれた技師の方,TTさんの解説は良く判らなかった。

ここから専門書を頼りにしての独学が始まる。

同時に,自分の担当する製品の検査記録,サービスデータ等を過去に遡って読んだ。その際,当然ながらメモは取らなかった。若い自分にも蓄積されたデータの意味,重要性は理解できたからである。異分野の現象を含むさまざまな事象があった事だけは今も覚えている。個々の課題の記憶は蒸発して記憶から無くなっているが,物つくりへの感性は鋭くなった。

・・・・・

このような話はロートルの戯言かもしれないが,ブログなので,しばらく,週1程度でUPしていくつもりである。それにしても,アナログ回路の量産できて易しいところは集積回路の闇の中に飲み込まれていく時代になった。

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2009年3月11日 (水)

回路屋の育ち方1

アナログエンジニアは若い頃,一度だけ業種の異なる業界への転職をしている。

転職を決意したときにトランジスタについて,7冊シリーズの洋書の翻訳本で半年かけて勉強した。米国の大学,産業界から構成される半導体電子工学教育委員会編(SEEC)の訳書で訳者は当時(1969)の半導体電子工学の産学からのそうそうたるメンバー達である。全部あわせるとかなりの量(約1400p)であった。

大学学部の3-4年生や産業界での企業内教育の教材を対象としている。

第1巻:半導体物理

第2巻:トランジスタの物理と回路モデル

第3巻:基礎トランジスタ回路

第4巻:トランジスタの特性と性能限界

第5巻:多段トランジスタ回路

第6巻:トランジスタ論理回路

第7巻:トランジスタ回路ハンドブック

各巻の表題を示したのは,トランジスタをブラックボックスとして扱わずに基礎を学ぶためにはこのくらいの分量になるということだ。丁寧だが厳しい本であった。

プログラムされた教材。優れた教材を作る原著者達が評価される英語圏の風土のような気がする。

私は学部で電子回路の教育を多分4単位受けていたが,わからないところが多かった。

SEECの本をそれなりに読み,大学で習った教科書と異なる世界を見た気がした。トランジスタの扱い方,説明の仕方がかなり異なる。当時,十分理解できたとは言えないが,それでも後々,幾度も開いた本である。その後のアナログ回路への取り組み方に,大きな影響を与えてくれた本である。

この本と,大学時代に下宿で経験したドロッパ式安定化電源設計,作成とシュミットトリガ回路がアナログ回路屋としての私の出発点である。電源としての性能を欲張ったので,色々な問題点も抱えた安定化電源であった。

工学は実践を前提に学ぶものであると今でも思っている。軽薄なシステム論,上滑りの網羅的教育は本当に教育になっているのであろうか?

もちろん,応用物理工学科の中で学んださまざまな教科は後に生きてきた。

ひとつの工学分野のアプローチの仕方をマスターすれば,異なる分野にも入っていける。同時に異分野にも同じレベルでその時点で自己の持つ感性を総動員して取り組める姿勢が必要だとも考えている。

若い時代に自分のピークトップの分野をできるだけ高めるアナログエンジニア流のやり方である。

森の中にいても,高みに立つことができれば自然に全体を見渡すことができる。幅は時が解決してくれる,と思う。

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2009年3月10日 (火)

家電量販店での温度計

ストックのなかった単4乾電池を買いに近所の家電量販店いった。

振り返ると電池コーナーの向かいの棚にさまざまなタイプの温度計が並んでいた。

同じ棚なので気温はほぼ同一の筈だが,指示はまちまち。最高と最小で5℃くらいの差があった。5℃も違えば家庭用といえども少々悲しいし,実用的ではない。

0.1℃分解能のデジタル表示のもの:感温素子はサーミスタかな。幾種類か並んでいた。

アナログ機械式のもの:これはバイメタル式で指針を機械的に動かすタイプ。

一番右側に大き目のアルコール温度計。液体の熱膨張を利用するタイプ。

パッケージの裏を見ると,温度の確からしさが記載されているものがいくつかあった。アナログ表示のものは最小目盛が総て1℃である。意味のない表示はない。

デジタル式のものの中には秤を作っているT社のものがあり,きちんと確からしさが表示されている。計量器メーカーの風土に由来するのだろう。

アナログエンジニアは一般計量士の資格を一応持っているので,つい,比較してしまった。もっと荒い値を表示しているメーカーや,確からしさの記載の無いメーカーもある。

家庭用温度計と言えども性能はまちまち。

温度センサ/温度計測の分野でいくつかの著作(今は絶版になっている)のある故FH氏の直伝で温度計測の基本を学んだ。そして無条件引用許諾を得ているのだが・・・。温度計則回路は何種類か作れる技術はあるが,本にするところまではとても行かない。

さて,多くの材料が温度依存性を持っているので,大抵のものは温度計となりえるのだ。たとえば,安定な振動周波数で知られる水晶振動子も面方位を選んでカットすると,振動周波数の温度係数が大きいものや温度係数の2次項が少ないものなどが得られる。

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2009年3月 9日 (月)

家電品のサービスマン

最近A社製のエアコンが故障した。A社は業務用エアコンでも有名だが空気清浄機も扱っている。

サービスマンは室内機側からエラーコードをチェック。室外機側の故障と判明。

3日後,室外機の制御基板を交換したが直らない。

昨日は圧縮機とモーターの駆動回路部を交換。3時間近い作業だった。

代替フロンの回収,トーチを使って圧縮機アセンブリの封止などの作業が伴っていた。

はじめてみるエアコン室外機の内部構造,意外にコンパクト。駆動回路の放熱器のサイズから判断すると,その発熱量は100W以下と思われる。

駆動回路と圧縮機を同時に交換した後,室内機へ行く配管を真空引き,フロンの再充填を行っていた。この時点で私はサービスマンの迷惑にならないように居室に戻った。

現地作業は大変である。機器の故障時には顧客がいらいらしている場合も多い。交換用部品の手配もきちんとしていなければならない。サービスマンが対応を誤れば,顧客は2度と戻ってこない。それでもサービスマンは明るく対応し,状況を説明してくれる。印象的だった。

私は,会社に所属していた頃,幾度か不具合対策で出張したことがあるが,設計者として現地作業した時には,結構な緊張をいつも伴なっていた。

サービスマンにも訓練もさることながら適性が必要だとアナログエンジニアは感じた。

サービスマン:まさに会社の看板を背負って最前線で働く職種だ。量産でない場合,サービスシステムでは,明らかに設計者の顔が見えている。サービスマンに評判のよい設計者は,真の設計者と言えるのではないか。量産品なら製品のサービスマンの情報から設計の弱点も見えている筈だ。

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2009年3月 8日 (日)

猫のジャンプ

我家の家猫チャー君は高いところが大好き。(1歳,雄)

棚の上やカーテンレールの上などから,いつも飼い主を見下ろしている。

高いところに上るにはひょいとジャンプ。

経路が決まっているので,メジャーで落差の大きいところを測ってみた。

いまのところ,助走なしジャンプで垂直方向に120cm,水平方向に100cmのジャンプを平然とこなす。

自分の運動能力と距離感の把握がしっかりできている。

猫は概して距離感がよい。瞬発力にも自信を持っているので,いやなものを近づけていっても30cmなら平気。10cmで警戒態勢。5cmで逃げ出す。

1歳になって眠っている時間が多くなり,少し落ち着いてきたが,遊んで欲しいときには飼い主の嫌がることを何度でも繰り返し,追っかけごっこを楽しんでいる感じがする。

遊ばれているのは飼い主の方か・・。

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2009年3月 6日 (金)

アナログ回路の簡易実験

学生実験や企業の新人教育で,回路実験を行うには少々工夫を要する。

回路構成は実験して見るべき所や多少のデータ処理を伴うものがよい。

指導者側の計画において,実験機材の有無と,アナログ回路をどのような基板で組ませるかも大きな検討項目である。

半田付け作業台がない場合には,ソケット式の基板(プロトボード)が便利だが欠点もある。配線が長くなるので扱える周波数は1MHz程度以下となる。学生や新人の組んだ回路が動かないときのチェックも講師の大きな負担となる。プロトボードが古くなったり,配線材料の線径の不適合や被覆剥きの長さなどに起因して,接触不良の確率が増える。

しかし,対象者に自分自身でレイアウトさせると,デバイスのデータシートのピン配置などをしっかり見ることになる。回路定数の変更も容易である。配線のチェック方法のコツ,注意力も養われるメリットもある。ただし,微妙に特性のばらつきが出ることもある。

プリント基板を作成し,キット化した部品をセットにしてしまえばただ部品を挿入するだけの作業になってしまう恐れがある。

実験者の技量,知識はかなり幅が広いことが多いので,同じ回路で必須の観測事項と発展課題を用意する。

このような事前注意を払い,指導者側は様子を見ながら適宜アドバイスや実験の意味を説明していく。神経を使う仕事である。

今の世の中,身の回りには高度な回路技術,集積化されてデジタル化されて高機能化された製品が溢れている。しかし,それでも実験によりブラックボックス化した回路技術の基本は一度は体験して戴き,作る立場になったときの原体験の一部を伝えたいと思う。

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2009年3月 5日 (木)

アナログスイッチ

アナログ回路において,入力の切り替えなどに便利な素子である。

しかし,使いこなすには,いくつかの注意点がある。

基本は,データシートのオン抵抗を目安に選択するが,スイッチの両端の寄生容量とのトレードオフ関係がある。オン抵抗が小さいものほど寄生容量が大きい傾向があるので高い周波数ではオフ時には数10pFの電圧依存容量になる品種もある。従って,オン抵抗が低ければよいというものではない。

オン抵抗はkΩ台の品種もある。

オフ時のリーク電流が無視でき,オン時のスイッチ部のオン抵抗が無視できるくらいのインピダンスで終端あるいは次段の回路を構成する。

アナログスイッチは制御入力のGNDと,スイッチ間の電圧によってオン抵抗が変化するのでアナログスイッチを含む回路全体の非直線性にも影響する。しかも,温度により若干変動する。

半導体アナログスイッチに比較して,それなりの接点材料を用いたリードリレーはより理想的である。

アナログエンジニアの部品選択は常にメリット・デメリットのバランス感覚に基づいて中庸の道を考える。複数の評価基準の中で最適化を目指す。

そのためには,評価するべき項目を把握しておかなければならない。

マルチ価値観,バランス感覚が重要である。政治も同じか・・・。

他の部品にない特長があれば,データシートに記載しされていなくとも犠牲になったと思われる項目を考える。

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2009年3月 4日 (水)

トリマ可変抵抗

トリマ可変抵抗はアナログ回路の利得やゼロ点の調整に用いられる。

多くのトリマの温度係数は同時に使われる抵抗群より大きい。しかも荒い飛び飛びの数値1,2,5,10程度しかない。

トリマ部の温度係数の影響の低減策のひとつは,トリマの1-3番端子間にトリマの全抵抗より1桁程度以上低い固定の並列抵抗を使用することである。これにより,見かけ上の全抵抗値と調整回路部の温度影響を低減できる。

この手段をアナログエンジニアはよく使用する。

全抵抗を調整できるとともに,回路の環境温度変化の影響を低減できるためである。

トリマを使うと回路の校正作業を伴うので,調整作業が必要になりコストへの影響を無視できない。調整作業の効率を上げるためには,設計値がトリマ抵抗の可動範囲の中心付近になることと,調整範囲が必要十分であることが好ましい。

複数のトリマを使う場合には,調整作業が反復作業とならないよう,できるだけトリマ抵抗の調整に伴う相互干渉を回避できる場所で手順を決めておく必要がある。

トリマ抵抗は回路の校正結果を記憶する一種のアナログメモリである。しかも,不揮発性である。

トリマ抵抗/可変抵抗を効率よく使いこなすには,回路のばらつきや入力信号の性質とバラツキを定量的に把握しておく必要があり,回路設計者の腕の見せ所のひとつである。

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2009年3月 3日 (火)

我家の包丁

35年前に結婚したときに,私が妻に贈った1本の洋包丁。

ステンレス・スエーデン鋼を使った国産品。

少し,ちびてきてはいるが今も使っている。

当時の給料の1割を越える価格であったと記憶している。

いろんな包丁を使った時期もあったが,錆びたり,刃が欠けたり,先端が折れるなどして消えていった。

この包丁は硬すぎず,柔らか過ぎず粘りがある。

超硬質の包丁は欠けやすい。そして,手入れされていないと砥いでも砥いでもなかなか刃が鋭利にはならない。

一方,なまくら包丁はすぐに砥げるが,研いだあと返りがでる。

この代物,月に一度,金剛砥で軽く研ぐだけで切れ味が保たれる。

多分,死ぬまで使い続けることができるだろう。

研ぐのは私の役目。

刃物は切味が良いほど力を入れないから安全に使えるものだ。

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2009年3月 2日 (月)

パワーオペアンプ

ひとたびIC化されたオペアンプの出力電圧範囲・電流出力能力を超えた能力のパワーオペアンプが必要になると,自作するかベンチャー企業に丸投げするかの選択を迫られる。

普段はオペアンプの内部回路設計に立ち入ることは少ないが,いざ,自分(自社)で仕様を決めて作ることになると結構大変なのである。

ブラックボックス化して考え設計していた部分を,いきなり,その内部回路を考慮して設計することになる。このギャップは非常に大きい。

汎用性のある仕様なら,混成集積回路=ハイブリッドICとして入手可能なこともある。しかし,自前で作る必要がある場合には,なにそれを駆動できるアンプ(電源)とだけ指示されて製作する。

これが,若手,ベテランを問わず厳しいのである。

トランジスタ・ダイオードレベルから回路構成を組み上げていくのだが,パワー回路なので熱設計と過負荷保護,過入力時の挙動などさまざまな課題が噴出する。

そして数ヵ月後,パワーオペアンプの自作が首尾よく成功しても評価されることは少ない。

かくして,パワーオペアンプの技術に取り組むことの個人としてのメリットは少なくなり,設計技術は伝承できなくなる。この手のベンチャー企業の基本設計ができる方も老齢化していく。技術のフロンティアでないので学術あるいは大学の世界からの情報発信も非常に少ない。

電子回路のIC化とともに,集積回路プロセスの限界を超えた回路設計はいまや,日本では絶滅危惧技術となりつつある。

これで日本の電子回路技術は大丈夫なのか。憂えるアナログエンジニアである。

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