トリマ可変抵抗
トリマ可変抵抗はアナログ回路の利得やゼロ点の調整に用いられる。
多くのトリマの温度係数は同時に使われる抵抗群より大きい。しかも荒い飛び飛びの数値1,2,5,10程度しかない。
トリマ部の温度係数の影響の低減策のひとつは,トリマの1-3番端子間にトリマの全抵抗より1桁程度以上低い固定の並列抵抗を使用することである。これにより,見かけ上の全抵抗値と調整回路部の温度影響を低減できる。
この手段をアナログエンジニアはよく使用する。
全抵抗を調整できるとともに,回路の環境温度変化の影響を低減できるためである。
トリマを使うと回路の校正作業を伴うので,調整作業が必要になりコストへの影響を無視できない。調整作業の効率を上げるためには,設計値がトリマ抵抗の可動範囲の中心付近になることと,調整範囲が必要十分であることが好ましい。
複数のトリマを使う場合には,調整作業が反復作業とならないよう,できるだけトリマ抵抗の調整に伴う相互干渉を回避できる場所で手順を決めておく必要がある。
トリマ抵抗は回路の校正結果を記憶する一種のアナログメモリである。しかも,不揮発性である。
トリマ抵抗/可変抵抗を効率よく使いこなすには,回路のばらつきや入力信号の性質とバラツキを定量的に把握しておく必要があり,回路設計者の腕の見せ所のひとつである。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も応援の一票をよろしくお願いします。【押す】
« 我家の包丁 | トップページ | アナログスイッチ »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント