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2009年4月 8日 (水)

回路屋の育ち方5

---ウィーンブリッジ発振回路---

何回か仕様を変えて製作した正弦波発振回路である。

最初の時、試作段階で良好な温度に対する振幅安定性が得られた。自動振幅制御(AGC)のループ利得は起動時のオーバーシュートの関係で強くできないことが判明していた。

AGCを掛けるための素子として、接合形FETを電圧制御抵抗として使用していた。

装置の量産初ロットでは、試作時の温度特性が全く得られなかった。そこで、初ロットに使ったFETと試作時のFETの温度特性を測定した。

1969年頃に入手していたJUNCTION FIELD-EFFECT TRANSISTORS/Carl Daid Toddを読んでいたので、かすかにJ-FETのドレイン電流が変化しないバイアス条件があることを覚えていたようだ。そのため、抵抗がゼロ温度係数となるゲート電圧とピンチオフ電圧の関係をプロットしてみた。その結果、目的を達成するにはピンチオフ電圧より0.7Vの点でバイアスを掛けるようにすれば良いことが判明した。

なお、多くの回路例では豆電球を用いるAGCが紹介されているが、豆電球の品種の依存性が大きいので、アナログエンジニアはJ-FETを使用した。

大抵は数個試作すれば、およその特性分布の見当がつくはずだが、このときは偶然にも、試作時のFETがゼロ温度係数バイアスですべて動作していた。

アナログエンジニアの経験則では、このような偶然良い方向に重なることは稀である。

その後、ウィーンブリッジ発振回路で異なる課題に幾度か向き合うことになった。

類似回路が形を変えてスパイラル状に課題を突きつける。それがアナログ回路であろう。

そのためには、問題を直視し,積み残した課題を忘れないようにする努力が大切と考える。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

お疲れ様です。

JFETをつかったAGC回路は、アナログ回路の本で読んだことあります。具体的な設計例が詳しくのっていなかったので、実際設計をしたことがありません。JFETは、電流リミッターで使った程度です。

昔のFETは、今より温度特性が悪く、データシートの値はあまりあてにならなかったのでしょうか?

おとん@さま

J-FETによるAGCは1970年頃から使われていました。J-FETは今も昔も半導体物理による温度特性に支配されていると思います。

こんにちは

このテーマも教科書やインターネット創世記、エレクトロニクスライフに執筆されていた逆瀬川氏のページ。。現在復刻公開中:
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kochan/workshop/welcome.htm

なぜ電球なの。なんて思ってましたが、
最近、オクで安く落としたジャンクの高級カセットデッキを分解したら、ドルビー動作点調整キャリブレーション用の基準周波数(高、低、2周波)の発振器に小さな麦球が使用してありました。びっくりです。

e-junkieさま おはようございます。

CR共振回路と増幅率の関係で,ウィーンブリッジ発振器のAGCにはOPアンプの出力電流くらいで過熱されて光るくらいの電球:麦球をつかうわけですね。うまく作るとAGC範囲が広く,実効値変換・フィルタが不要になりますね。

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