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2009年4月 3日 (金)

hFEのランク分け

バイポーラトランジスタの電流増幅率hFEは、メーカーでその大きさによりランク分けされている品種が多い。

入社して間もない頃から定期的にhFEのランクごとの分布をアナログエンジニアは測定していた。

当時は、A,B,C,DのhFEランクがあると、両端のランクは3角分布で各ランクをまとめると正規分布に近い分布となっていた。大きく分布するhFEを実測してメーカーで選別していたのだ。ランク分けされていない品種では倍・半分程度のバラツキを考慮して設計する必要があった。

また、ランク分けされている品種では中央付近のランクでは、少しテーリングのある一様分布、下のランクでは高めのものが多く、上のランクでは低めのものが多い傾向があり、テーリングのある3角分布であった。もちろん、各ランクの範囲は重複する仕様で、選別ロスが少なくなるように考慮してある。

最近は、この手の分布を測る機会が少ないが、各ランクともその中央値付近に集中する傾向が見られる。アナログエンジニアは、プロセス技術の進歩により意図的に各ランクを作り分けするだけの半導体技術レベルに達していると考えている。

したがって、現在ではランク幅いっぱいのバラツキにはならないであろう。

トランジスタ回路全体のばらつき範囲、分布を予測するときには、厳密にはhFEランクのばらつきの分布の形も考慮する必要がある。一様分布では悲観的な数字が出やすいのだ。

しかし、hFEの温度変化は、接合温度100℃の変化で約2倍あり、低温側で低くなる。今もあまり変わっていないような気がする。環境温度が広い場合には、設計時に考慮すべきhFEの最大、最小の値はより広くなることを忘れてはならない。

私の持っているSPICEのモンテカルロ法による解析では、最小、最大しか入力項目がないので一様分布での計算が行われていると推定している。もちろん温度による変化は考慮されない。

私は手解析でユニットとしてのばらつき予想を行っている。量産規模が大きければ、それなりの素子バラツキを複数ロットのトランジスタで確認するところまでデータを把握する。

設計の出発点は実データで半導体のロット内、ロット間のばらつきである。当然、メーカー保証はなく、自分の責任において製品品質をコントロールすることになる。

こんな設計法をきちんと行っているアナログエンジニアはごく少数派だろうな。悲しい。

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コメント

お疲れ様です。

HFEランク品は、最近よく注意して使っています。
設計のエビデンスを残さないため、
HFEにどの程度余裕あるのか、厳密に計算したことはありません。設計者によるというところでしょうか?

ちなみに、設計に余裕なくても、HAL試験をすれば、
設計の余裕度がない部分が動作不良をおこす傾向あるといったところでしょうか?

おとん@さま コメントありがとうございます。

設計のエビデンス:残すか残さないか、中間は危険と考えています。これを意識できれば年齢に関係なく一人前のエンジニアだと私はおもいます。

HAL試験:わたしはこの言葉を知りません。できれば、どのような試験か教えていただけないでしょうか。

おつかれさまです。

すいません、昨晩はお酒をのみながら
コメント投稿したので、一部文面の内容に
誤記がありましたので、訂正いたします。

設計のエビデンスは、私は必ず残しております。
品質管理部門に言われないと
残そうとしない設計者がいます。
最低限やることを、言われないとやらない、
そのような設計者が増えているようです。
たいてい彼らは、エンジニアとしての人生は短いようです。

それから、HAL試験と書いてしまいました。
HALT試験の間違えです。
HALTとは、ある製品に急激な温度や衝撃を与え動作確認する試験です。

試験設備は非常に高価であるため、
もっている会社は少ないと思われます。
1日単位で貸してくれるところがあるようです。

HALT試験をやる目的ですが、部品のばらつきで動作が不良になる確率を高くし、設計に余裕度のないところを確認するということです。

たとえば、使用温度上限40度だと、100度ぐらいまで急激にあげます。動作しなくなったら、試験を中断し、設計者が原因がみつかるまで調べます。HFEの余裕度、FETのゲート電圧の余裕度などを確認でき、設計者の能力に依存します。

私は、過去に何度かHALT試験を経験しました。
試験中は神に祈るのような思いで、見守っています。
故障して再生不能になる場合もあるようです。
お金のかかる試験といったところでしょうか。

詳しくは、グーグルかヤフーの検索ページから、
キーワード:HALT、試験 で検索すれば、
結構詳しい情報を得ることができます。

以上です。

おとん@さん こんばんは。

>設計のエビデンス:
報告書には残せない場合にも,残した方が良いですね。同感です。
>HALT:
低温試験(液体炭酸ガス温度程度)だと,大物を試験するのは大変ですね。産業用だと,常温で動いて当たり前。そこからが勝負ですね。
勉強になりました。

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