放熱片の包絡体積
パワートランジスタを使うときには放熱片を,電子回路では使用する。その性能は放熱計算に必要な数値である。
自然空冷の場合,放熱片の襞(フィン)の形状と姿勢の影響を受ける。
放熱片はフィンの間隔が狭いと空気の流速が低下し,熱抵抗が増加する。フィンがまばらだと伝熱面積が減少するのでやはり熱抵抗が増加する。したがって,最適値が損存在することになる。フィンの厚みは最適なフィン間隔に影響するが,フィンの厚みも放熱体積に影響する。
アナログエンジニアは以前,複数回に亘り放熱片の外形体積=包絡体積と熱抵抗の関係を種々の放熱片の関係をプロットしてみた。
その結果,よく設計された放熱フィンの熱抵抗の最小値は包絡体積で概算できることが判った。
包絡体積Vから放熱片の熱抵抗θを求める概略値(経験則)は
V=360cm^3・℃/W
程度である。
これにより,放熱に必要な最小の空間/包絡体積を概算できる。すなわち,自然放熱を前提にする場合の必要な空間を事前に検討できる。板状放熱片で十分厚みのある場合には,面積Sに依存し,
600~700cm^2・℃/Wとなる。
放熱フィンの材質はアルミで引き抜き材は板金で製作されている。
多くの設計条件でトレードオフ関係にある現象では,最適な値が存在し,その値は広い範囲で一定の関数関係を持つ。
他の自然現象,社会現象でもこのようなことは生じているはずである。
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