フォト
無料ブログはココログ

このブログについて

  • 著作権の扱い方
    著作権はコメントを含めて投稿者に帰属します。投稿者本人が著作権をもち、責任も持つという意味です。 リンクはご自由にして構いません。 原則公開です。 批判も含めてコメントは公開いたしますが、営利目的などの記事は、管理者権限で削除することがあります。コメントは管理者の承認後、反映されます。 ただし、TBは現在許可していません。

著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
  • 連絡先
    私への講演、セミナー、技術指導などのご依頼はこちらまで↓ okayamaproあっとまーくyahoo.co.jp  あっとまーくは半角の@にしてください
  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

Twitter

新刊

  • 岡山 努: アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊

« 放熱片の包絡体積 | トップページ | 建具職人との雑談 »

2009年5月 8日 (金)

SPICEで発振させる

_2553 ←まだまだ咲き続ける鉢植えのクリスマスローズ。写真をクリックすると大きくなります。

回路シミュレータSPICEでの発振現象は多くのエンジニアが試みる回路シミュレーションである。

しかし,SPICEでの発振を観測するには,発振回路の深い理解が必要である。回路によっても発振の行われる機序が異なる。

よく行われる2石式トランジスタマルチバイブレータでは,通常Cの片側に初期値(残留電荷)を設定し,起動時の非対称性を与える。現実世界では,ふつう残留電荷の無い状態で発振する。発振させなければならない。

アナログエンジニアは,CかRに0.1%程度オーダーで定数を非対称化し,電源をステップ的にVCCまで上げて発振させる。トランジスタ特性に非対称性を入れる手段もあるが,類似の2つのトランジスタモデルが必要になる。これらの方がより現実に近い。実回路では遅い電源上昇率でも発振する。この場合は,2石のトランジスタの正帰還により,ある電源電圧になったとき,正弦波発振を経て方形波発振に至る。これは,ノイズを種にしての発振現象である。

ウィーンブリッジ発振回路では,ノイズの代わりに微小な交流信号を回路に与え,発振周期に比べ長い時間を解析時間に設定する。この方法でひずみ率0.1%以下の正弦波発振も可能である。もし,AGCがかかっている回路構成なら,その回路特有の振幅オーバーシュートもシミュレーションで出る。

積分器とヒステリシスコンパレータを用いた三角波発振回路ではDC電源のみを用いても発振する。ただし,OPアンプのマクロモデルが振り切れ時にも多少は利得を持つように構成されていることが必要条件であろう。

発振回路のシミュレーションは注意深く,そして中途半端なテクニックを使うべきではないと考える。現実世界での起動時の挙動の理解に繋がらないからである。

『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の一票をよろしくお願いします。【押す】

« 放熱片の包絡体積 | トップページ | 建具職人との雑談 »

電子回路」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2021年11月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

現在のランキング