テレビドラマの心電図
写真は自筆の紫陽花の油絵。バックの色が合わなくて,何度も塗りなおした思い出がある。
花の色も,紫・ピンク色系の混色が難しい。
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テレビドラマでは,死の表現に心電図波形が,ピッ,ピッの音から突然波形が平坦になるシーンを良く見かける。
しかし,実際の死直前の心電図とは明らかに異なる。
私が見た死の直前の心電図は,心電図の正常波形の特徴点であるPQRSTU波形から,その特徴がない心室細動・粗動を経て,平坦波形に至った。
数年前の父の死のときである。
心室細動,粗動波形に入ったとき,下手な看護婦より心電図の意味がわかるので,後数分も経たず死を迎えることを予感した。
そして,親族の誰よりも先に涙が出た。溢れ来る涙を拭くことなく心電図のモニターを見ていた。
心電図は,心臓近く腹側に電極を貼り付けて,心筋から出る微弱な信号を増幅して表示している。そのために,漏れ電流に対し厳しい規制がある。絶縁も厳重である。
安全電圧とされる35-45Vは,手による感電を想定したもので,洞房結節などの人体に備わった心臓の刺激伝導系に直接電流が流れ込めば数10μAでも十分危険なのだ。
アナログエンジニアは伊達に「労働安全コンサルタント」(電気安全)の資格を持っているのではない。高電圧による感電傷の症状も知っている。
心電図には,どのような誘導形式であっても,背骨側の心筋の情報は間接的にしか知ることができないであろう。なお,心電図の時間軸や電圧軸の表示はともにどの機械でも統一されているはずである。
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