リンギングチョークコンバータ
リンギング・チョークコンバータ=RCC回路。自励式。
この回路の基本形は3巻き線をもつトランスと1トランジスタで構成される。もうひとつ補助巻き線と定電圧ダイオードを使用すれば出力電圧の安定化も可能である。
Royer回路などとは異なり、通常はコアの磁気飽和を利用しない。
ベース電流とhFEなどで決まる周波数で発振しするので、発振周波数は負荷の影響も受けて変化する。
解析は電力収支とコレクタ電流などを考慮して行う。部品点数が少ないので低コストの用途に使われ、細部には様々なバリエーションがある。しかし、解析と設計は意外に複雑である。
期限切れの特許回路を参考にアナログエンジニアは、安定化RCC回路を構築し、回路シミュレータで設計状態を確認した。早いスイッチング部分と時定数の長い平滑回路を持っているので、それなりの計算時間とトランジスタモデルパラメータの設定が必要である。
小容量のフローティング電源や、充電回路などの用途に向く。発振周波数が種々の要因で変化するので、複雑な回路システムでは全条件での性能確認には労力が必要である。したがって、量産規模が小さいときには磁気マルチバイブレータの方が開発しやすいと私は考えている。
発振回路の詳細な解析は、発振回路の基本動作を知る必要があり、かつ複数のコイルを持つトランスの設計が必要となる。
電源回路設計は難しく、かつ、低コストを要求されるので生産技術との連携も必要となる。
今では、セットメーカーでは電源回路を熟知しているエンジニアは非常に少なくなってきていると思う。
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コメント
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紫陽花、ちゃんと咲きましたね。
花も程よい開き方で良いタイミングだと思います。
カットが流石に的確、私のは皆上の部分を切り過ぎでした。
これで納得、今後の参考にさせてもらいます。
投稿: mako | 2009年6月29日 (月) 11時49分
MAKOさん こんにちは
私のカメラは小型のコンパクトデジカメなので、ボケ具合やピント位置はカメラ任せです。いつもシャッターを押す時、かなりぶれています。何枚か撮影して良いものをUPしてます。トリミングなしです。
投稿: 5513 | 2009年6月29日 (月) 15時52分