回路の温度試験
←ナミアゲハの5令幼虫だと思う。一昨日までは鳥の糞に擬態していた幼虫のようだ。なんとか蛹、羽化まで見届けたいものだ。食草は山椒の葉。
アナログ電子回路の温度特性は、ちょっとした心掛けで温度試験を行う前に温度特性の概略の値を観測できる。
空調環境なら、ほぼ一定温度での状態で筐体に入れた回路を起動して放置する。
短い時定数の変化が確認できるのであれば、さほど多くない部品の自己加熱による温度変化の疑いがある。筐体全体が温まる程度の時間であれば、種々の要因が起因している可能性がある。
今なら、夏場なので、空調を切って帰り、翌日空調投入前に、入力を入れて出力を測定する。それも0%出力と100%出力で観測する。同じことを、空調投入後気温が下がったところで測定する。
このような方法をとれば事前に温度特性を0%と感度=100%点出力-0%出力に分離して温度特性の概略を半定量的に把握できる。
対象となる回路が時間的に安定であることが大前提なので、回路の調整中は気温をこまめに測定するとともに同一条件でのデーターの再現性を確認しておくのは当然である。
多くの回路部品やセンサは温度の影響を受ける。
精密アナログ回路では、温度による影響と再現性がとても重要である。
起動してから安定するまでの時間が長ければ、温度に影響される部品の存在を疑う必要がある。
本番の温度試験では、仕様の温度幅より広い範囲で測定するとともに、常温付近を複数回測定するのがアナログエンジニアの常とう手段である。温度変化に強い回路は、概して部品のバラツキに対しても頑健である場合が多い。
従って、幾度も繰り返す調整測定の際には、こまめに温度と入出力条件のメモをとることが大切である。
オンラインで概算しながら、データーをとる習慣がより良い回路を構成する重要なプロセスであろう。
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お宅には随分いろんな植物があるんですね。
先日来から何種類ものアゲハの幼虫がいるようで・・
我が家でも山椒があって、アゲハが産卵、毎年何匹か飛び立ちます。でも1種類だけです。
幼虫も好い被写体ですが、成虫がこれだけ生まれるとなると楽しみですね。
投稿: mako | 2009年7月30日 (木) 18時12分
私の本業は某メーカーのエンジニアですので、回路の温度特性はとても気になる処です。
投稿: 不動修太郎 | 2009年7月30日 (木) 23時20分
MAKOさま おはようございます。
もうすぐ蛹になると思いますが、なんとか見つけ出して数時間かけて羽化する写真を撮りたいと思っています。蛹が見つかるかどうかが一番の課題です。
投稿: 5513 | 2009年7月31日 (金) 05時03分
不動さま おはようございます。
温度特性はある程度予想できます。実験途中でもある程度の数値を掴んだ上で、温度試験に臨みます。産業用製品は環境温度範囲が広いので、温度試験を複数やるまでは安心できません。
投稿: 5513 | 2009年7月31日 (金) 05時08分