小さな基板
←家の南側に咲いた白百合。この花が咲くころ、学校は夏休みが始まる。
昨日は、久しぶりではんだごてを握り2石無安定マルチバイブレータを作っていた。
目的は、起動の際の挙動を実機で確認するため。
Rが4本、Cが2本、トランジスタが2個の小さな基板。
30分ほどで組み上げ、精密アナログ電源で試験を開始。まず、設計点での5Vの波形と周波数を確かめる。コレクタ電圧波形の時定数をチェック。コレクタ抵抗は1kΩ、ベース抵抗47kΩ、タイミングコンデンサは1000pF、トランジスタは2SC1815GR:シミュレーションと同じ回路定数で作ってある。トランジスタのhFEが高いので、ベース抵抗とコレクタ抵抗の比は約50と大きい。発振周期は70μsで計算通り。
コレクタ電圧波形をオシロで観測しながら電源を0から徐々に上げていく。約580mVで発振開始。波形は鋸波に近く、発振周期は半分程度と短い。さらに電源電圧を上げていくと、発振周期は70μsに急激に近づいていく。電源電圧を下げていくと、発振開始電圧より低い電源電圧まで発振が継続。この様子もシミュレーションと一致している。
無安定マルチバイブレータの起動の瞬間を私の機材では観測することはかなり難しい。デジタル式であれば、電源投入と同時に記録させればこの瞬間を捉える事が出来るはずである。
ノイズがほとんどない電源をゆっくり立ち上げれば、理論的には正弦波発振を経由して全振幅発振に至る筈である。シミュレーションではその模様を観測できた。
アナログエンジニアは磁気マルチでは、この様子を観測できたが、2石CR無安定マルチでは、発振近傍の様子を見たことがない。
簡単な回路でのトレーニング、徹底解析を行えば、アナログ回路の世界はより深いものとなるだろう。
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