一片の粘着テープ
←淡いピンクのユリに似た花。葉は春に出て今は無くなっている。西洋の栽培種だが名前は判らない。
アナログエンジニアは、有機化学に関しては基礎を大学で学んだ程度しか知らない。
しかし、長さ5cmほどの一片のプラスティックのテープの現品から、テープ会社と型番を特定し、そのテープ一巻を入手する程度のことはできる。
まず、テープの幅を小型ノギスで測る。厚みをマイクロメータで測る。
次に粘着性を把握。今回のものは、感圧粘着剤が塗布されている。
次に、肌触りを指で確かめる。非常に滑らかだからフッ素樹脂系らしい。色合いは茶色味を帯びている。引っ張ってみると幅方向に収縮しながら伸び、かつ白濁する。異方性延伸が行われている。
最後にライターで燃やし、においと燃え方、残滓を見る。
テープと言えばN電工。そこの窓口に電話して「こんな特殊テープ、御社で作っていませんか?」。技術担当に電話を回してくれる。
それで、先ほど確認したテープの情報を伝えると、候補をいくつか上げてくれる。サンプルを送ってくれた。
最終結果は、N電工製 ニトフロン粘着テープ、耐炎性のNo.903UL。昼間の休憩時間を使っての調査。1週間ちょうどで製品を入手できた。
現品は、高電圧絶縁用テープらしいが、私の用途は、アーチェリーの矢筈を番える部分:ノッキングポイントのテーピング。滑らかで、感圧接着なので効率よくノッキングポイントを作成でき、かつ必要なら簡単に取り外すことが出来る。
一番の難関は、取り扱い商社からの発注。個人対象の会社ではなかったが、営業所長の一声で購入できた。
さすがトップメーカだけのことはある。個人客といえども親切に対応してくれる。私はN電工のこの製品群を一生忘れることはないだろう。これが、トップメーカーの見事な対応能力である。それに比べ、先のエントリーで述べたXX自動車のフロントサイドビューカメラの性能不足への対応はあまりにも悪い。
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