軽負荷の絶縁形コンバータ
←専守防衛型動物。動物園ではめったに針を立てる必要はなさそうだ。
トランス絶縁形DC-DCコンバータでは軽負荷の時の挙動をよく理解しておく必要がある。主SWのパルス幅が狭まると同時に、重負荷の時とは異なる動作モードとなるためである。
アナログエンジニアはこの手の回路を扱う際には、まず2次側無負荷での動作を確認する。
非絶縁DC-DCコンバータも軽負荷時には、基本的に1サイクルでの電力収支から回路特性を把握する。絶縁形ではパルストランスの励磁電流の回収または消費を行うことが必要で、2次側を無負荷にして観測することで、その動作機構を確認できる。
励磁電力を回収する手段には、サブ巻き線を付加し主SWのオフ期間に電源へ励磁電力を回生する。サブ巻き線側もスイッチングすれば、プッシュプル絶縁形DC-DCコンバータとなる。
無負荷特性をきちんと調べるのは、寄生容量などの影響を観測しやすいからでありパルストランス設計の良否を判断しやすい。
他の理由としては、軽負荷時の信頼性確保の意味もある。
私の場合には、SW電源を1次側+2次側の電流が断続しない「連続モード」のみでは設計しきれないからである。軽負荷時には、電流が断続するモードを使用し、オンデューテイを絞り込む方針だ。しかし、軽負荷時のDC-DCコンバータの挙動まで解説した教本は多数派ではない。解析手順がやや複雑になるからである。
なお、多くの場合、巻き線や主SWの寄生容量を考慮しなければ、現実の回路波形の主な特徴点が出ない。
SWシステムの波形には、細部を含めて意味のない特徴点は存在しないと私は考える。
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