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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2009年9月

2009年9月30日 (水)

パワーMOS-FET

005 ←秋の蛙。あまり見かけないこげ茶模様で家の外壁にへばりついていた。

パワーMOS-FETは、スイッチング用途には便利な素子である。入力容量Cissと帰還容量Crssを考慮すれば、スイッチング時間をかなり正確に予測できる。ゲート漏れ電流は大抵無視できるので、駆動回路の能力から充放電速度が予測できるためである。

オン抵抗が正であるから並列運転も容易である。

安全動作領域は広く、時間が短ければ耐電圧×許容電流まで掛けられるので、スイッチング時間さえある程度早ければ、詳細に検討する必要もない。この性質は、高電圧スイッチングの時に設計を簡明にする。

ON抵抗は、駆動電圧から予測できるので、スイッチングロスの計算も容易である。素子を適切に選べば、かなり低いON電圧となる。

パワーMOS-FET は駆動回路側から見れば、容量性負荷である。

しかし、リニア回路に使用する場合、あちらこちらに寄生容量が存在するので安定性解析の見通しが悪くなる。

リニアアンプのプッシュプル段に使用する際には、必要なバイアス電圧とその温度係数がピンチオフ電圧の関数となるので、一工夫を要する。アナログエンジニアは通常、0温度係数点を設計中心とするが、ピンチオフ電圧のバラツキを考慮するとリモートカットオフ特性のオーディオ用パワーFETを用いることもある。

少ない事例ではあるが、パワーMOS-FETでの個別部品アンプを量産ベースで設計するにはバイポーラトランジスタで組むより手間がかかる様な気がする。

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2009年9月29日 (火)

センサエレクトロニクス

022←うめもどきの実。秋が深まれば、熟した実を食べに小鳥がやってくることもある。

いまどき、センサと言えば電気量を出力するものが普通であるが、1970年初頭には空気圧で伝送する工業用計測器、制御機器がまだプラント計装の主流であった。

電気信号を出力する原初的センサは、センサの信号処理を行うエレクトロニクスと組み合わせてセンサシステムとして完結するものとアナログエンジニアは考えている。

それで、センサエレクトロニクス。

被計測量を電気信号に変換する部分だけではなく、電子回路による信号処理/増幅なしにセンサとして完結しないケースの方が多いだろう。センサ本体とアナログ電子回路を組み合わせて初めてセンサ特性を定義できる場合も多いのである。

センサの信号が微弱な場合、精密アナログ回路を介してのみその信号を定量化できるケースも少なくない。電子計測器を接続すると特性が変化するセンサや、計測するための配線からノイズが混入し測れない場合には(センサ+回路)が一体ものなのである。

多くの電気信号を出力するセンサは電気エネルギーを与えて初めて被計測量に対応する信号を出力してくれる。センサを活性化させる励起回路もまたセンサシステムの一部となる。回路を含めて考えないと、全体特性を予測できない。

センサエレクトロニクス技術はセンサ本体のの最適化の指標にも大きく関与するが、そのことをセンサ開発チームリーダーが十分認識していない場合も少なからずある。関連学会などの論文でも電子回路/信号処理部分の詳細が割愛されることも多い。

しかし、電子回路を含めてセンサエレクトロニクスの概念で対処しなければ、センサの能力を正確に把握することは困難であろう。

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2009年9月26日 (土)

電動ラジコンヘリ

005 ←室内用電動ラジコンヘリ。ローター径は20cm足らず。機体の回転と上昇・下降の2ch制御ができる。音声指令対応。

非常に軽い機体。そこに2系統のアクチュエータと受信チャネルが装備されている。可変ピッチのロータで機体の回転を制御できる。

実はこのラジコン、教材用として我が家のさちがインターネット購入したもの。

充電は単3アルカリ電池から行い、数分間飛行できる。飛行のコツは、始動した後浮上直前の状態で、機体の回転を抑えるために機体回転制御チャネルで機体の回転を最小化してから離陸させ、ゆっくりと上昇・下降操作を行うことだ。

一応、天井検出センサがついているので、急激な操作をしなければ天井にぶつかることはない。

室内気流があるので、飛行状態では空中を漂うように移動していく。

それにしても、ラジコンの受信機とアクチュエータがずいぶん小型、軽量化されたものだ。

一昔前のラジコンヘリと言えば、高価な大人の遊びで、広い場所でないと飛ばすことはできなかったが、今は、普通に買える玩具である。時代の流れを感じる。

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2009年9月25日 (金)

何の部品

007 ←台所に落ちていた部品。こんなものが落ちているからには何かの部品だろう。クリックすると拡大像が出ます。

一見すると、白い樹脂の根元部にはリング状の凹凸がある。頭の部分は薄く、金属片が埋め込まれている。

金属部は両端にメッキされた金属、中央部にダークグレーの金属が見える。鉄片を吸引するので、ダーク部はフェライト磁石?

根元部には、金属部品を固定するための穴が見える。

実はこの部品は、食器棚の磁石ラッチの一部だった。

リング状に見えたのは、ホルダーの白い樹脂のねじ部。ルーペで見るとねじ部に型分割のラインが見える。

最近、食器棚の扉の立てつけが悪く、閉めても段差ができる状態だった。

部品を掴む場所はないが、指でつまんでこの部品を取り付け部にきちんと取り付けると、扉は正常に閉まる。

もちろん、この部品が脱落している扉が1か所あった。1件落着。扉の開閉時に少しずつ回り、脱落に至ったという訳である。頭が薄いので、きちんと締め付け固定はできないので、次第に緩むのだろう。

アナログエンジニアは仕事用でない部品が落ちているときには、一応、判る場所に保存する。すぐには、何の部品か判らないけれど、そのうちに大切な機能部品や特殊ねじであることが判明するからだ。

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2009年9月24日 (木)

低電圧リニア回路

001 ←湖畔のコスモス。風が強く花が大きく揺れていた。

バイポーラトランジスタによる低電圧リニア回路の低電圧化は、VBE電圧と、コレクタ飽和電圧VCE(sat)により限界がある。

VBE=0.6V、VCE(sat)=0.3V辺りが個別素子でリニア増幅器を構成できる限界で、コレクタ負荷にかかる電圧VLも0.3V程度となる。

このとき、電圧増幅率Aの絶対値はおよそ、A=VL/VT (VT:熱電圧)であるから、VLが小さいとAを大きく取りにくい。能動負荷を使えば、もっと大きな電圧利得を1段で得ることができるが、VCE電圧が0.6V程度から実効アーリー電圧が低くなるので、電圧利得は低下する。

能動負荷差動増幅器を使用するなら、VBE+2VCE(sat)程度ないと、設計の自由度が殆どない。したがって、電源電圧1.2V程度がバイポーラトランジスタ回路での増幅器設計の下限となる。

このくらいの電圧になると、数10mVも貴重だし同時に低電力化も要請されるので、仕様の許す限りコレクタ電流も低く設計することになる。

電源電圧が高すぎるのも設計しにくいが、電源電圧が低い領域は厳然とした限界があると考える。

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2009年9月22日 (火)

彼岸花

010 ←彼岸花、背が低かったので真上から撮影。この写真UPするにはこの連休しかない。彼岸花とはよく言ったものだ。あまり気候に左右されず今の時期に花を咲かせる。

昨日は、母が姉と姉娘、姉孫の3人で父のお墓参りに当地へ。

途中、1000¥高速の渋滞で予定より遅めに到着。近郊にある国立海浜公園か大規模場外馬券売り場(オフトヒタチナカ)の影響か。

お墓参りの前に、近くのレストラン:ホールホグで昼食。普段はランチなので、このお店でコース料理で食事するのは初めて。気取らない盛り付け、メニューでおいしかった。

その後、自宅でしばらく歓談。我が家の虎猫は物陰に隠れて様子伺い。普段の強気の行動は全く見られない。姉孫(2歳3カ月)はしっかりとした足取り、口調で団欒の中心。

現在、我が家の居間は画廊的雰囲気。とりあえず過去の作品を含めて比較的出来の良い作品を全部飾っている。飾りすぎなので、おいおい、季節ごとに飾り付けを変える予定。

午後はみんなでお墓参り。姉孫はお墓でもちょろちょろと歩き回る。ついに、車止めの段差に足をとられ転んで大泣き。それもまた楽し。

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2009年9月19日 (土)

明日はシングル

003 ←ベランダの柱に張りついていたカマキリ。

明日は栃木県でのアーチェリーのシングルラウンド。150射の長丁場。

90m、70mが午前で、午後は50m、30m各36射。

午前は長距離で、1エンド6射4分なので着弾確認のスコープを使う時間的余裕がある。

午後は1エンド3射2分、練習は射場の関係で普段6射で射の感覚が違う。スコープをセットしていると、制限時間に余裕がない。

概して午後の射が悪い。疲れてくることも原因であるが、私の場合、他人と腕の骨の長さが違うのも影響している。

具体的には、上腕が人並み、前腕がかなり長い。リカーブボウでは顎を前に突き出すような射形となる。そこでコンパウンドボウとリストタイプのリリーサで調節しているが、好不調の波が大きい。手のひらが大きく指が短いのも身体的特徴である。アーチェリーを始めてしばらくして他人と同じ射形が取れないことに気がついた。

ここのところ、競技会を意識して、短距離3射で練習しているがその成果が出るかどうか。

競技者としての登竜門である悲願のシングル1000点達成なるか。

鍵は午後、少し疲れてきたときの姿勢コントロールがきちんとできるかどうかにかかっている。明日は台風の影響で風が強いかもしれない。風が強いと体が揺れるので弓を引いている時間が長くなる。とりあえずは、シングルの自己最高が目標。

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2009年9月18日 (金)

相補型エミッタフォロワ

009 ←赤とんぼ。今日の朝はひんやりとした空気。秋の深まりを感じる。

pnpトランジスタとnpnトランジスタによる2段エミッタフォロワは簡易高速DCバッファに使用できる。

小信号トランジスタを使い、相補型エミッタフォロワで2段構成にすることで、VBEをかなり相殺できるので、DC~100MHz帯域程度の高速性能も達成できる。

エミッタフォロワの実働条件でのVBEがたとえば1mAで660mVと600mVであれば、初段エミッタフォロワの動作電流を0.1mAにすることにより、DCオフセットを消去できる。

pnpトランジスタとnpnトランジスタのVBEを上記の方針で選ぶことで、実験室的にはオフセット電圧が0.1mV程度までの利得1の高速バッファを得ることが出来る。

この回路はエミッタ抵抗を定電流源に置き換えることにより、直線性を改善できる。実際に集積化されたこともある回路形式である。

エミッタフォロワにおけるVBEの変化は、出力電流の対数に比例するので、極力エミッタフォロワ電流の最大と最小の比を小さくすれば非線形性も低減できるのである。

オペアンプがまだ高価であった時代に、アナログエンジニアはこの回路形式でDCバッファアンプを構築したこともある。エミッタフォロワ2段の簡単な回路であるが故に、細かい定数設定によりDC特性の高性能化が容易であったともいえる。

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2009年9月17日 (木)

電源回路の重要性

002 ←ある植物の葉。ポチポチのデバリは3mm程度。このデバリが葉なのか花なのか判らない。我が家に3鉢ある。

電源回路は電子回路の要である。しかし、専業電源メーカーでない限り、電源回路をきちんと設計できるエンジニアは非常に少ない。

電源回路は電子回路システムの電力を必要な電源品質で電力のすべてを供給する。

他の電子回路ユニットに比べハイパワーであるが故に、電源回路は意外に設計が難しいのである。また、ハイパワーであるが故に、電源回路の負荷の応答速度に比べ低速にならざるを得ない。したがって、瞬時負荷変動はICの電源ピン近くに設けたパスコンで吸収する。負荷変動は通常広範囲で、しかも負荷短絡事故に耐える必要がある。最近は安全規格やEMC規格も考慮する必要がある。

電子回路電源では、多くがコンデンサインプット整流型である。ダイオードとコンデンサの簡単な回路に見えるが、意外に複雑で、実用レベルで設計するには種々の工夫が必要である。

簡単なトランス絶縁コンデンサインプット整流平滑回路でDC15Vを得るために必要な公称電圧はいくらか?この問いから設計が始まるのであるが、必要な2次側公称電圧は15/√2ではなく、実用的にはほぼ15V程度である。トランスの内部抵抗・ダイオードの電圧降下、トランスの公称電圧の定義など知らねばならない。

スイッチング電源になればもっと複雑である。しかも、パルス性ノイズを伴うので、精密アナログ回路では、スパイクノイズを低減するために別の手段でさらに電源の安定化を行う。

電源回路は目立たない存在であるが、れっきとしたアナログ電子回路である。そして集積回路では実現できないない領域の電圧、電流も扱う。

電源回路を外注するのは結構であるが、電源回路の重要性と動作を知らない電子回路設計者が増えていることを憂うアナログエンジニアである。

電子システムの信頼性は、電源システムの信頼性を超えることはない。

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2009年9月16日 (水)

トランジスタ特性の測定

013 ←橙色のミニバラ。花は小さくとも対照となる物が映っていないので立派に見える。

トランジスタ静特性の代表例であるIC-VCE曲線も注意をしてみなければ、判断を誤る。

特に、高電力領域のカーブは要注意である。

チップサイズに比べ、消費電力の大きい領域でのIC-VCE曲線は、自己加熱の影響を受ける。

ゆっくりとした測定によるデータなら、自己加熱の影響を受け、高電力領域ほど右上がりの傾向が顕著に生じる。パワーFETなら、条件により、ID-VDD曲線の平坦部が右下がりになることもある。

ICは温度影響が+のhFEの温度影響を受けるので、バイポーラトランジスタのIC-VCE曲線は高電力(高電圧側)で上昇する。

これを回避するには、パルス測定などの方法で、ごく短時間で高電力での測定をする必要がある。小信号用トランジスタでも同様な問題が生じる。ゆっくりとした測定の結果なら、自己加熱を含むトランジスタ特性になるし、パルス特性なら一定温度での測定に近い。

測定中の温度変化が少ない方法でIC-VCE特性を取得すれば、IC-VCE特性の平坦部での傾きであるアーリー効果あるいはアーリー電圧を有効数字2桁程度で測定できる。

そして、アーリー効果は、回路シミュレータで回路の電圧依存性や能動負荷時の利得計算に使われているパラメータである。

アナログエンジニアはデーターシートのグラフをそのままいつも信用するとは限らない。トランジスタの静特性を取得する際には、自分で必要な回路を組み測定を行うことがある。

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2009年9月15日 (火)

英文字略語

004 ←千日紅。花期は長い。試しに1株植えてみた。

庭の菜園には、少し遅いが早生キャベツ、白菜の苗、人参の種、カブの種をまいた。アシタバも一株植えた。

人参とアシタバは、来シーズンキアゲハの幼虫を育てようという魂胆。

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レーザー(Light Amplification by timulated mittion of adiation)は本来laserと書くべきところがカタカナ語になって広く流布している。その過程で、フルスペリングの(輻射の誘導放出による光増幅)に意味を知る人はさらに少ない。

英3~4文字の略語の氾濫も著しい。具体的事例は上げないが、異分野でも全く同じ略語が異なる意味に使われている。初出のときには、フルスペリングを併記すべきであろう。

英3~4文字の略語を使う時には、同一専門者を対象にする場合以外、一言説明があるべきと思うが読者はどう思われるだろうか。ソフトウエアの分野では、勝手な造語による略語が氾濫している。

パラダイムシフト(paradigm shift)などは、使う人によってずいぶん意味が異なる。

カタカナ語になると、本来の英語の意味から次第に離れてくる場合もある。最近耳にしない日はない「マニフェスト」も選挙公約と日本語で書けばより明白で厳しい表現に現状はなるだろう。

アナログエンジニアはカタカナ語や和製英語を嫌う。本来の意味から外れることや、ニュアンスが弱められることが多いからである。注釈なしの英文字略語に至っては論外であると考えている。まさに亡国的日本語の乱れである。

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2009年9月12日 (土)

百里基地航空祭

F15j011 ←F15戦闘機のコクピットのアナログエンジニア。

同じ県内の百里基地の航空祭、一度は行ってみたかった。

縁あって今日(9/12)百里基地航空祭(特別公開)に招待され、種々の航空自衛隊の装備やブルーインパルスの編隊飛行を見ることが出来た。

ほんの数10秒だが、単座F15戦闘機のコクピットに座らせていただいた。左右と前面に無数のスイッチ、計器類がならなんでいた。パソコンシミュレータで見慣れた計器もいくつかある。航空服を着て着座すればきっちりという感じの座席。20年前、パソコンシミュレータでF15を操作していたが、TVの湾岸戦争の空爆シーンを見てあまりにも実感がありすぎゲームを止めたことを思い出す。

ヘリコプタにしても、航空機にしても、ものすごい傾斜角で急旋回をして運動性能の一端を見せてくれた。

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今の日本は平和である。しかし、世界的に見れば紛争地域もいくつかある。リーマンショックに伴う不景気もまだ回復していない。

私は、武装中立派的考えをもつ。国際社会が動くまでの1-2週間は持ちこたえられる戦力は必要だと思う。これらの装備は、天災時の機動力としても有用であろう。シビリアンコントロールの下、迅速な意思決定が出来るシステム、指揮系統の存在の重要性を改めて感じた。

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2009年9月11日 (金)

整理の格言10

058←動物園に咲いていた花。

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整理の格言10

 「豊かな生活は整理から」

様々な生き方があるだろう。会社のなかでも、常に書類を山積みにし机の上が散らかっている人と、そのとき必要な書類しか出ていない人とがいる。

どちらが幸福な会社生活を送っているのだろうか。

アナログエンジニアは自営生活に入る前から、不要なものはなるべく持たない方針で生活している。きっかけは、古参の方が広い場所をを占有し、自分には狭いしスペースか与えられなかった。一時は不満であったが、親しいSさんから、「狭ければ狭いなりに楽しいことがあるさ」の一言で目が覚めた。

多くの物を持ちことは、利点もあるが不利益なことも多い。

余分な物を持っていると、貴重なスペースを占有する。

余分な物を持っていると、いざという時に物が出てこない。必要な時に必要なものが出てこなければ探す時間の浪費になるとともに、探し出せなかった時にはないのと同じである。

余分なものを持っていると、整理・清掃にも時間がかかる。

今の私は、極力物を減らしている。整理も省エネ。具体的にはある場面で使う道具類はその場所の近くの引き出しに投げ込んで置くだけ。

道具は使ってこそ役に立つ。家電品は複雑な機能は基本的に使わない。デジカメなどは、その機能を徹底的に使う。基本機能がしっかりしている製品なら、使い方次第で応用が効くのである。

使いこなせる機材の数は知れている。それを大切に使えば、おのずから使える道具、備品、機材が増えるうえにスペースも豊かになるだろう。

広さ、豊かさは物理的量ではない。生活スタイルの問題なのだと思う。

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2009年9月10日 (木)

パルスモータのマイクロステップ

010 ←コスモスの花。この園芸品種は少し細身の花が咲く。今が満開。

パルスモータはA相とB相の電磁力の平衡によりオープンループで位置決めを行う。

電磁力をアナログ的に調整すると、1パルスあたりのステップ分解能を数倍に大きく出来る(マイクロステップ)。ここまでは、普通の記述。

パルスモータのマイクロステップでは、外力の増加に伴い平衡位置が変わってくる。摩擦や外力が大きいときには、マイクロステップ駆動を行っても位置決め精度は意外に向上しない。外力が小さければ、オープンループで細かい位置決めが可能だが、摩擦力が大きければ、マイクロステップ回転角より荒い位置決めしかできない。位置決めのヒステリシスが生じる。

出力トルクの大きいパルスモータを使えば、位置決め精度はより高くなる。しかし、駆動に必要なモータサイズが大きくなる。

様々な対応策があるが、その一つは位置決めセンサと粗動用機構と微動用機構を併用する手段がある。

パルスモータは、負荷に依存して設定角が1ステップ程度は異なる。高速パルス駆動の際に負荷が重ければ、ミスパルスを生じる。

アクチュエータにおいても、きちんとした動作原理の把握が不可欠であると思う。

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2009年9月 9日 (水)

弱点の克服

I010 ←庭の何箇所かで咲いている。花期は長く、オレンジと黄色の小花が球状に咲く。名前は判らない。

アナログエンジニアは不遇の時代、多くのトラブル対策や失敗開発の再開発を経験している。

その多くは、基本的構想の総合判断の誤りと動作原理の基礎的理解不足に由来する。弱点をもつシステムは必然的に不具合発生頻度が増える、あるいは性能未達を生じている。

これら弱点は、電気・メカ・信号処理などチームプレーの境界領域で多く生じている。しかも、再開発・改良に与えられる人的資源が同一であることが多い。

引き継ぎ時点では、とにかくチームメンバーからひたすら聞き取り調査を行う、図面を精査する。私はメカ設計を自分で行うことは少ないが、加工技術、図面の見所は逃さない。

このような仕事が回ってくるときは、大抵切羽詰まった状態でしかも上からの指示である。

ユニットで完結する場合には、少人数を動かし、基本設計は自分でやりなおす。改良程度では済まない。失敗開発の再開発はもっと大掛かりで、担当責任者の言い分は無視して自分でチームを動かす。分業可能なレベルまで基本検討を行い定量的に指示を出す。

特に性能未達の場合は、再開発の成功への道筋がついてくるとその成果を自分のものにしようとする輩が少なからず出てくるが、ここで妥協すると詰めが甘くなり、信頼性の低い製品にしかならない。これら弱点の克服には、設計の詰めが欠かせない。

甘い設計をするチームには、技術力のないリーダーが必ず存在する。そのリーダーと同じ工程を取れば、同じレベルの検討であるなら、弱点の克服はあり得ない。

企業対企業の場合も同じである。そして、異なるアプローチをとるときには、特許調査も不可欠となる。

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2009年9月 8日 (火)

軽負荷の絶縁形コンバータ

092 ←専守防衛型動物。動物園ではめったに針を立てる必要はなさそうだ。

トランス絶縁形DC-DCコンバータでは軽負荷の時の挙動をよく理解しておく必要がある。主SWのパルス幅が狭まると同時に、重負荷の時とは異なる動作モードとなるためである。

アナログエンジニアはこの手の回路を扱う際には、まず2次側無負荷での動作を確認する。

非絶縁DC-DCコンバータも軽負荷時には、基本的に1サイクルでの電力収支から回路特性を把握する。絶縁形ではパルストランスの励磁電流の回収または消費を行うことが必要で、2次側を無負荷にして観測することで、その動作機構を確認できる。

励磁電力を回収する手段には、サブ巻き線を付加し主SWのオフ期間に電源へ励磁電力を回生する。サブ巻き線側もスイッチングすれば、プッシュプル絶縁形DC-DCコンバータとなる。

無負荷特性をきちんと調べるのは、寄生容量などの影響を観測しやすいからでありパルストランス設計の良否を判断しやすい。

他の理由としては、軽負荷時の信頼性確保の意味もある。

私の場合には、SW電源を1次側+2次側の電流が断続しない「連続モード」のみでは設計しきれないからである。軽負荷時には、電流が断続するモードを使用し、オンデューテイを絞り込む方針だ。しかし、軽負荷時のDC-DCコンバータの挙動まで解説した教本は多数派ではない。解析手順がやや複雑になるからである。

なお、多くの場合、巻き線や主SWの寄生容量を考慮しなければ、現実の回路波形の主な特徴点が出ない。

SWシステムの波形には、細部を含めて意味のない特徴点は存在しないと私は考える。

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2009年9月 7日 (月)

あれこれ

035 ←よこはま動物園ズーラシアで見かけた枝の途中にたくさんの実?が巻きつくように実っている植物。

写真をクリックすると拡大像になります。

1. 先月から育てていたナミアゲハの幼虫は8/16日に蛹になったが、3週間経過したがまだ羽化していない。少し形は変わったが、その後の変化はない。来シーズンは、庭に三つ葉と人参を植えて、アゲハ蝶の羽化を写真に撮ってみたい。

2. アーチェリー:栃木県で開催された全日本アーチェリー連盟公認記録会に出場。144射1000点を目標にしていたが、午後の50mの最終射で可能性は消えた。次回に再挑戦。射のフォームの安定化が課題。

3. 民主政権:官僚の抵抗はすごいだろうな~。法律の数以上に協会・事業団があり、そこには必ず官僚OBがいる。複雑な制度を作り、その解説、普及と称して官僚OBが必要になる構造になっているような気がする。各種資格・試験制度も同様で、なんとか協会主催のセミナーを受講しないと、実務ベースでの扱い方が判らず一発合格はとても困難。

過去の遺産を引き継いで日本社会全体の富、利権の再配分を目指しているようだから、各利害関係者から様々な要求が出てくるような気がする。景気回復には時間がかかると予想する。

4. 自分のこと:この不景気で、技術講演やセミナーの依頼はあっても集客不足で流れるケースが多くなってきた。不景気になると対象となる製造業の設計部門の教育予算は真っ先に削られるようだ。技術本の執筆を急いで、活動費を稼がなくては・・・・

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2009年9月 5日 (土)

入試の多様化

010 ←魚眼コンバージョンレンズ+コンパクトデジカメ逆光撮影したエノコロ草。対角180度で撮影。周辺が映りすぎるので、構図が難しい。

大学で専門科目を学ぶには、それなりの高校の素養が必要である。いくつかの大学では、理系学科への門戸を広く開くという名目で、高校数学や物理など入試に課さないで、大学での補習で補うという。大学の高校化に近い。

アナログエンジニアは高校の時、授業では3年次で学ぶ物理を独習で2年かけて勉強した。数学は当時の数Ⅲまで3年間掛けて学んだ。重い科目である。

重い科目を避けて受験に有利な他の課目を入試課目に選んだ方には申し訳ないが、物理・数学は専門科目と並行して1~2年で学べるほど甘くはないと思う。

数学がある程度出来なければ、物理をマスターすることはできない。数学が出来ても物理に向いているとは限らない。

その結果、電子回路の分野で言えば、対数グラフが書けない若いエンジニアも多数存在するのだ。自然対数から常用対数への底の変換もしかり。

社会科系課目もしかり。世界史は社会系科目の中では最も厳しい科目である。紀元前から始まり、各国の栄華盛衰を多くの国と関係づけて理解しなければならない。しかし、世界史は近代世界、現代世界の情勢にも色濃くその過去を引きずっている。

必要な時期に必要なことを学ばなかったことを回復させるには、天才でもない限り必要な時期に学ぶに必要な時間の数倍の時間とエネルギーが必要なのだ。このことは、若年社会人にも当てはまることであろう。

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2009年9月 4日 (金)

パルストランスの設計

015 ←アメリカンディゴの花。

スイッチング電源のキーパーツの一つがパルストランスである。これは購入するものではなく、電源設計者がパルストランスを設計するのだ。少なくともアナログエンジニアは、そのように考えている。

鉄損(コアロス)はコア材と使用磁束密度と周波数でほぼ決まる。通常はフェライトコア材を用いるが、SW周波数が高くなれば使用磁束密度を下げる必要がある。

線材の電流密度は一般に商用電源トランスより高く3-7A/mm2程度までは、自然空冷で使用されるが、2次側のダイオードやコンデンサを近接してレイアウトする必要があるので、実装との兼ね合いで温度上昇を考慮して選択する。

フォワード形コンバータの場合にはインダクタンス値をある程度大きく取ればよいが、フライバック形の場合には、設計値のインダクタンス、使用磁束密度、線材の電流密度を考慮した設計となる。自由度が足りないので、コアギャップでインダクタンス値を調整するのが一般的である。

小容量の場合コア断面積が小さいので、小径の線材を多数回巻き線する。1次コイルと2次コイルを収納できる窓面積も制約条件となる。

1次コイルと2次コイルはなるべく密結合になるよう同心状に巻くが、1次コイルと2次コイルの容量結合が増えるので、目的に応じ結合率を下げてでも寄生容量の低減を図ることもある。

大容量のパルストランスで周波数を上げすぎるとステップダウントランスでは2次側の巻き数が少なくなりすぎる。小容量のステップアップトランスでは、寄生容量の影響が大きくなり、かつ、絶縁耐圧確保のために種々の巻き線構造が採用される。小さくとも電圧が高ければ、絶縁厚さが絶対的に必要になるのでこの部分の絶縁設計が厳しくなる。

パルストランスの設計は、回路設計との兼ね合いで決まってくる。従って、SW電源システムの諸元を考慮して、回路方式が選択される。SW電源トランスは、非絶縁DC-DCコンバータの設計よりも一段と高度な技術が必要となってくる。しかも安価に高信頼品を作らねばならない。

電源回路の基礎知識は、精密アナログ回路の性能に多大な影響を及ぼす。

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2009年9月 3日 (木)

回路解析の基本

_0001 回路設計を効率的に行うには、設計式を出来るだけ文字係数のままで解く必要がある。

図においては、V1の電流、I1の両端電圧、R1,R2の電圧と電流をV1、I1、R1、R2の関数として向きを含めて求めることが命題である。

オームの法則とキルヒホッフの法則を実用レベルで解けるかどうか、この種の課題を出題すればすぐ判る。

とくに問題になるのは、オームの法則の電流・電圧の向きである。かなりの方がここでつまづく。この問題では、キルヒホッフの電流則と電圧則も使う。

今回は答えを示さないが、答えが判らない問題を解くことがエンジニアの第一歩である。

次の段階では、解の有無も判らないテーマに取り組んでいく。

解がなければ、もっと自由度を増やして挑戦していく。

これが、エンジニアの本来の姿であろう。

そして、自分の得た答えの検証手段も考える。

数値を与えられなければ解けないようでは、回路的創造はないと考えるアナログエンジニアである。

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2009年9月 2日 (水)

希土類磁石

088_3 ←よこはま動物園ズーラシアで撮影したオカピ。希少種でキリンの仲間です。足の縞模様が印象的である。

希土類磁石ではネオジウム磁石が有名で、従来はDCサーボ モータやパルスモータに使われてきた。

この材料がハイブリッド車HVや電気自動車EVに使われるとなると、資源の問題が出てくる。HV車ではkg単位でモーターに使われるという。

希土類の地殻での存在量は高くない。貴重な資源、限りある資源である。 こんな貴重な材料を大量に車のモーターに使ってよいものだろうか?

アナログエンジニアはこのような貴重な資源を大量消費商品に使用することは反対の立場である。

世の中はHV車に傾いているが、貴重な物性をもつ材料をこのような形で使うことには疑問を感じる。資源量の問題も、CO2問題と同様に重要な課題であるとマスメディアは報道しないのか?

貴重な資源は貴重な用途に使うべきである。また、極力その材料を回収すべきであろう。

ネオジウム系磁石は当然着磁されて磁石として使われる。強力な永久磁石であるが故に、磁石同士や鉄などとくっつく。数gのネオジウム磁石同士がくっついた時、手で外すことが困難なほどである。新しい資源回収の手法が必要になるだろう。

大量に製作される消費材は資源にもやさしい材料で構成されるかまたは高いリサイクル率を達成すべきであろう。

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2009年9月 1日 (火)

シュミットトリガ

_0002 エミッタ結合シュミットトリガ回路の例。

この定数で、下側閾値は約1.8V、上側閾値は約3.1Vである。

ロジックSSIにも類似の回路が使用されているが一般には回路定数は公表されていないことが多い。

シュミットトリガの特徴点は上下の閾値と出力振幅である。

Q1がオフ、Q2がオンのとき出力Voが遷移するには、Q1のベース電位が点aに対して+0.6Vになる必要がある。この計算は簡単で、Q2のC-E間がほぼ0Vととして、点aの電圧を求めればよい。点aの電圧は電源5VのR5とR2による分圧なので、2.5V、したがって上側遷移点は0.6Vを加えて、3.1Vととなる。

①下側遷移点は、Q1のオン状態が解けて、点bが点aに対し約0.6Vになる点である。

②このときQ1はアクティブなので、R1を流れる電流をI1としてQ1のコレクタ電圧がR2,R4で分圧され点bの電圧となる。hFEが十分大きいものとすれば、点aの電圧はI1の関数となる。

③この計算結果から点aの電圧を求め、VBE≒0.6Vを加えれば、下側遷移点となる。

見通しをよくするため、R1<<(R3+R4)と考えて立式するとよい。

この連立方程式を解けば、下側遷移点が求まる。

出力振幅はHが5V、Lはもう少し複雑な計算が必要である。

ヒステリシス幅を小さく出力振幅を大きくとろうとすると、上側遷移点に達する以前に若干の出力上昇が生じる。

正帰還のかかった2石トランジスタ回路の場合には、遷移直前の状態を場合分けして解くことがその解析の有効な戦略である。

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