相補型エミッタフォロワ
←赤とんぼ。今日の朝はひんやりとした空気。秋の深まりを感じる。
pnpトランジスタとnpnトランジスタによる2段エミッタフォロワは簡易高速DCバッファに使用できる。
小信号トランジスタを使い、相補型エミッタフォロワで2段構成にすることで、VBEをかなり相殺できるので、DC~100MHz帯域程度の高速性能も達成できる。
エミッタフォロワの実働条件でのVBEがたとえば1mAで660mVと600mVであれば、初段エミッタフォロワの動作電流を0.1mAにすることにより、DCオフセットを消去できる。
pnpトランジスタとnpnトランジスタのVBEを上記の方針で選ぶことで、実験室的にはオフセット電圧が0.1mV程度までの利得1の高速バッファを得ることが出来る。
この回路はエミッタ抵抗を定電流源に置き換えることにより、直線性を改善できる。実際に集積化されたこともある回路形式である。
エミッタフォロワにおけるVBEの変化は、出力電流の対数に比例するので、極力エミッタフォロワ電流の最大と最小の比を小さくすれば非線形性も低減できるのである。
オペアンプがまだ高価であった時代に、アナログエンジニアはこの回路形式でDCバッファアンプを構築したこともある。エミッタフォロワ2段の簡単な回路であるが故に、細かい定数設定によりDC特性の高性能化が容易であったともいえる。
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