シュミットトリガ
この定数で、下側閾値は約1.8V、上側閾値は約3.1Vである。
ロジックSSIにも類似の回路が使用されているが一般には回路定数は公表されていないことが多い。
シュミットトリガの特徴点は上下の閾値と出力振幅である。
Q1がオフ、Q2がオンのとき出力Voが遷移するには、Q1のベース電位が点aに対して+0.6Vになる必要がある。この計算は簡単で、Q2のC-E間がほぼ0Vととして、点aの電圧を求めればよい。点aの電圧は電源5VのR5とR2による分圧なので、2.5V、したがって上側遷移点は0.6Vを加えて、3.1Vととなる。
①下側遷移点は、Q1のオン状態が解けて、点bが点aに対し約0.6Vになる点である。
②このときQ1はアクティブなので、R1を流れる電流をI1としてQ1のコレクタ電圧がR2,R4で分圧され点bの電圧となる。hFEが十分大きいものとすれば、点aの電圧はI1の関数となる。
③この計算結果から点aの電圧を求め、VBE≒0.6Vを加えれば、下側遷移点となる。
見通しをよくするため、R1<<(R3+R4)と考えて立式するとよい。
この連立方程式を解けば、下側遷移点が求まる。
出力振幅はHが5V、Lはもう少し複雑な計算が必要である。
ヒステリシス幅を小さく出力振幅を大きくとろうとすると、上側遷移点に達する以前に若干の出力上昇が生じる。
正帰還のかかった2石トランジスタ回路の場合には、遷移直前の状態を場合分けして解くことがその解析の有効な戦略である。
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