電源回路の重要性
←ある植物の葉。ポチポチのデバリは3mm程度。このデバリが葉なのか花なのか判らない。我が家に3鉢ある。
電源回路は電子回路の要である。しかし、専業電源メーカーでない限り、電源回路をきちんと設計できるエンジニアは非常に少ない。
電源回路は電子回路システムの電力を必要な電源品質で電力のすべてを供給する。
他の電子回路ユニットに比べハイパワーであるが故に、電源回路は意外に設計が難しいのである。また、ハイパワーであるが故に、電源回路の負荷の応答速度に比べ低速にならざるを得ない。したがって、瞬時負荷変動はICの電源ピン近くに設けたパスコンで吸収する。負荷変動は通常広範囲で、しかも負荷短絡事故に耐える必要がある。最近は安全規格やEMC規格も考慮する必要がある。
電子回路電源では、多くがコンデンサインプット整流型である。ダイオードとコンデンサの簡単な回路に見えるが、意外に複雑で、実用レベルで設計するには種々の工夫が必要である。
簡単なトランス絶縁コンデンサインプット整流平滑回路でDC15Vを得るために必要な公称電圧はいくらか?この問いから設計が始まるのであるが、必要な2次側公称電圧は15/√2ではなく、実用的にはほぼ15V程度である。トランスの内部抵抗・ダイオードの電圧降下、トランスの公称電圧の定義など知らねばならない。
スイッチング電源になればもっと複雑である。しかも、パルス性ノイズを伴うので、精密アナログ回路では、スパイクノイズを低減するために別の手段でさらに電源の安定化を行う。
電源回路は目立たない存在であるが、れっきとしたアナログ電子回路である。そして集積回路では実現できないない領域の電圧、電流も扱う。
電源回路を外注するのは結構であるが、電源回路の重要性と動作を知らない電子回路設計者が増えていることを憂うアナログエンジニアである。
電子システムの信頼性は、電源システムの信頼性を超えることはない。
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