JCO臨界事故から10年
←庭の片隅に咲いた紫の花。写真をクリックすると拡大像になり、産毛がたくさん生えているのが判ります。
JCO臨界事故から、昨日で、はや10年経過した。当日は小雨降る天候。
この事故で、2名が悲惨な死を遂げ、報道によれば1名が今も後遺症で苦しんでいると聞く。
JCO事故の第1報をニュースで聞いた時、商用原子炉で使う核燃料のとしては、異常に少ない量で連鎖反応が開始していたことを記憶している。とっさにこれは普通の商用原子炉向けの核物質ではないと判断した。後に、この燃料が商用原子炉向けではなく、核分裂性ウランの濃度が10倍高い高速増殖炉の実験設備向けのものであったことを知る。
核燃料の取り扱いに際しては、臨界量以下の単位のバッチプロセスで取り扱うこと、細長い形状の容器で連鎖反応の防止を行うのが常識である。
被爆した作業員は普段より1回で扱える量が1/10であること知らされていなかったかもしれない。おまけに裏マニュアルで攪拌はおたまにバケツ。
こんな杜撰な工程と作業を行った組織の長、関係者は実刑に服すべきであろうと今も考えている。会社・官庁を含む組織に対する罪の軽さを感じる。組織は各階層の人間が責任とそれぞれの地位にふさわしい安全意識を持っていただきたいものだ。
アナログエンジニアは原子力を現在では代替案のないエネルギー源の一つであり、必要悪であると考えている。しかし、その前提にあるのは、多重防御された安全システムを順守することが前提である。某発電所では、安全装置の一部が不調のまま運転された。危険性評価レベルは低かったが、やはり関係者の厳しい処罰を望む。さまなければ、上司の要求に逆らい切れず承知のまま、不安全運転をすること、事故隠しも無くならないだろう。
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