安定化化電源回路
この回路で、入力変動幅が大きい場合に入出力電圧差を小さく取ろうとすると、抵抗R2の選択が困難になる。
この状況を認識している方は、解析を基にきちんと回路を設計した経験がある方だろう。
R2は最小の入力時に、Q2、Q3のベース電流をきちんと供給できるようにその抵抗値に上限がある。
入力電圧Viが最大の時、過剰な電流(ほとんどQ3を流れる)が過大にならないよう留意するから、R2には下限がある。条件を欲張ると解が無くなる。Q3のコレクタ電流が大きく変動するとそのVBEの変化により、入力変動除去率も悪くなる。
この課題は、R2を定電流源に置換すると解決でき、他の性能も向上する。
アナログエンジニアはD1にエミッタフォロワを使用し、そのコレクタ電流をカレントミラー回路でR2に代える。回路規模は少し増大するが、設計計算量は激減する。安定化電源回路としての性能も向上する。各部品の電力低格のチェックも容易である。
ドロッパ式安定化電源は、枯れた回路技術であるが、用途に応じ様々な最適化の道が存在する。
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